ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。
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Where is the wonderland
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定期的に繰り返される側頭部の脈打つ鈍痛とともに目を覚
ました。深呼吸を繰り返す。また同じ夢を見た。
ガラス窓の向こうにカジモドが見える。俺は蛇の姿だった。
病気なのか、カジモドがベッドに横たわっている。傍らの椅
子にはソギのロボットが座って心配そうな顔でカジモドを見
ていた。
あの山小屋だった・・・
どうにか身体を起こしてベッドを降り、フローリングの床に立
つ。俯き加減で頭を押さえたまま廊下の先のユニットバスに
向かう。ユニットバスのドアを開け、鏡に映った自分の顔と対
峙しようと顔を上げた時、其れが目に入った。
『さようなら』
鏡いっぱいを使って、真っ赤な文字でそう書かれていた。
これは、何だ?・・・
昨夜シャワーを使った時には何も無かったはずなのに・・・
眠っている間に誰かが侵入して書いたのか?玄関に視線を
走らせた。
冷静になろうとこめかみに手を当てて目を閉じる。
再び目を開けると赤い文字は消えていた。
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カジモドの山小屋から戻って一年が経とうとしている・・・
仕事から解放される度、ぼくは暗い孤独感に襲われていた。
ビョンゴヒョンはぼくに付きっきりで、何くれと世話を焼いて
くれる。ぼくの気持ちを引き立てようと歌を歌ったり、ダンス
をして笑わせようと必死になっていた。
ビョンゴヒョン・・・ごめんね・・・ぼくにも何故、こんな気持
ちになるのか分からないんだ・・・
カジモドが居ない・・・katoが・・・遊びに来ない・・・
それだけで・・・こんなに孤独を感じるなんて・・・
ぼくは自分の感情を持て余していた。
そんななか、ドラマの撮影が一段落して、ビョンゴヒョンが
映画を観に行こう!とぼくを誘った。
次の映画の撮影まで時間が空いてるから?・・・勉強の為?・・・
楽しい映画は嫌だ!・・・そんな気分じゃ無い!・・・と我儘
を言ってビョンゴヒョンを困らせたぼく。ビョンゴヒョンはそん
なぼくを優しく宥めながら映画館へ車を走らせた。
2階のボックスシートは全部買い占めてる、とビョンゴヒョンが
言う。新しく出来た映画館のVIP専用シートだった。
いくらぼくが塞いでいるからって・・・贅沢過ぎるよ・・・
ぼくはビョンゴヒョンに背中を押されて厚いカーテンを割った。
「ソギ!こっちだ!」
ビョンゴヒョンに呼ばれる。
「えっ!・・・何処でも良いんでしょ?・・・」
不審な顔のぼくに満面の笑みでビョンゴヒョンが指さす席は
一番端の柱の陰、誰かが座っていた。目深に被った帽子に
パーカーのフードを重ねて俯いている黒い影が見える。
影は微動だにしない・・・その佇まいに見覚えがある・・・
ぼくは泣きそうになった。
ぎこちな気にシートの端にちょん!と腰を降ろすと、右手で
トン!トン!とシートを叩き、長い指を折り、手招きされる。
『ソギ!・・・こっちに・・・』
逢えなかった時間はぼくの心に距離を取らせた。
『おいで!・・・』
何故かよそよそしく素直になれないぼくは出がけにビョン
ゴヒョンから手渡されたパーカーのことを思い出していた。
このためだったの?・・・ぼくが俯き加減でパーカーを羽織
ると、ビョンゴヒョンにキャップを被せられた。
お揃いの格好?・・・に・・・したの?・・・
不意に体が浮き上がる。バランスを崩したぼくはジソブさん
の胸に倒れ込んだ。腰に回された逞しい腕とお尻を持ち上
げている大きな手を意識する。
『ソギ!・・・軽くなったな・・・』
耳元で囁かれ強く抱きしめられて、ぼくの感情は不意に動き
出した。堪えていた涙が溢れだす。ジソブさんの胸に顔を擦
り付けて「ずーと・・・こうしたかった・・・」心で叫んだ。
『俺も・・・逢いたかった・・・ソギ!・・・お前を抱きしめ
たかった・・・』
熱いkissが降りてきた。何度も唇を甘噛みされて喘ぎ声が
漏れそうになる。ぼくは必死でジソブさんの唇にしがみつい
ていた。
『ソギ!・・・後で啼かせてやる!・・・』
其の一言でぼくの腰はジンジンと熱を持って疼き始めた。
あ其処は形を変えてスキニーパンツがきつくなってくる。
もじもじしてるぼくのフードとキャップを取り去ると顔を覗き込
み、『ヒョン!・・・と、呼ばないのか?・・・』と、片頬を上げて
聞いてくる。照れ笑いを浮かべたぼくに、ジソヒョンは悪戯な
顔をして、あ其処に手を伸ばして触れてきた。
「ああー!・・・っ!・・・ンッ!・・・」
ぼくの背中がビクッ!としなる。
『まぁー・・・いい!・・・ふふふ!・・・』
ジソヒョンの揶揄する声が優しい。
「ふふふ…」
連られてぼくも笑った。
『ソギ!・・・カジモドの夢を見た。「さようなら」とカジモドが
言ってる・・・カジモドを助けたい!・・・俺たちの友達だ!
協力してくれるか?・・・』
片手でフードを脱ぐと真面目な顔でぼくを見る。
カジモドが出会った当初から好意を寄せてくれていたのは
知っていた。敢えて気付かぬ振りをして親しい友人として
関わってきた。
「ぼく・・・」
言葉が続かない・・・
カジモドを助けにワンダーランドへ?・・・ジソブさんと一緒に?・・・
ぼくの所為でカジモドはさようなら・・・って・・・言ったの?・・・
「ヒョン!・・・ぼく・・・」
『ああー!知ってる・・・それでもカジモドはお前を待ってる・・・
俺には分かる・・・ソギ!お前の所為じゃ無い!・・・カジモドは知っ
てる・・・だから・・・助けに行ってやろう!!・・・』
震えるぼくを抱きしめて、ジソヒョンはトン!トン!と背中
を叩いてくれていた。
行き方は?・・・
ワンダーランドは何処に在るの?・・・
カジモド!待ってて!・・・
ぼくが・・・助けて・・・あげる・・・
to be continued
今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。