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Sweet basil スィートバジル No.5
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It is continution
続きをどうぞ・・・
もしかしたら…
次の日、目覚めたら
少しは大人になっているかもしれないなんて思って、昨夜は眠りについたけど…
やはり
そんなことはなく
授業は同じように退屈だし、外はいいお天気なのに、机の前に座っているのは苦痛だし…
という感じで、ぼくは、あくびを噛み殺していた。
いつ恋に落ちても大丈夫という自信。
父の言葉を、ぼくは、ぼんやりと思い出す。
こんなにやる気を失くしてる今は
恋に落ちることなんて
絶対にない。
ああ、困った。
どうしよう。
そんなふうに思って、ぼくは頬杖をついていた。
後ろの女の子がぼくの背中をつついた。
先生に気づかれないように振り向くと、彼女は、後ろからだよ、という仕草をしながら、ぼくに紙切れを渡した。
斜め後ろの席で、ユリエがぼくに合図を送っている。
紙切れには、こう書いてあり、ぼくを驚かせた。
「彼と別れて失意のどんぞこ。男の気持ちって分かんない。助けて。YURIE」
ぼくは先生の視線を感じて、紙切れを慌てて丸めたが、遅かった。
つかつかとぼくの席に来て、丸めた紙を広げて読み上げた。
「ソギには難しい相談だな」
教室中が笑いの渦に包まれ・・・
ぼくは、恥ずかしさに下を向きっぱなしだった。
「いつでも、私が相談に乗ってあげよう。なんだったら放課後教員室に来るといい」
「いえ、あの」
「君の年齢で男の気持ちが解らないのは当たり前だよ」
「はい」
ユリエの困った顔が目に浮かぶ。
それにしても、別れたって本当?
でも、どうして?
ぼくに助けて!ってどういうこと?
ぼくは、授業が再開されても、まるでうわの空で、その事を考えていた。
放課後、ぼくたちは窓際に腰掛け、牛乳を飲みながら、パンを齧っていた。
喫茶店に行くには、惜しいくらいの素敵な夕暮れだった。
「ソギ!早く行きなよ。先輩が待ってる。自分の気持ちをはっきり確かめて前に進んだ方が良いよ。」
「うん…」
「あんたって、いつも何も気付かない。そこがいいとこなんだけど。気付かないままでいるとどんな人と付き合っても同じよ。彼、ソギにたくさんの事を、きっと言いたかったんだと思う」
それから、しばらく、ぼくたちは窓の外を見ていた。
下級生たちのクラブ活動に熱中する声が聞こえる。
ユリエは何もしゃべらなかった。
ぼくたちは、ただ、ストローで牛乳を吸っていた。
「さ!帰ろう。ソギは、先輩の面影を心に刻んできて」
不思議だ。
先輩を思う時、姿形だけでなく、甘い味が沸き上がってくる。
酸味のあるものを思い出したように頬は窪むけど、実は錯覚で、本当はそうではないと気付いた時、両頬の窪みは微笑みに変わる。
ぼくは
大人になるために
誰かを待つのではなく
自分のことを、待つために
先輩に会いに行った。
to be continued
今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
いつもいいね!やコメントをありがとうございます。
年明けからリフォームをお願いしてますが
年内に終わるのだろうか・・・💦(;'∀')
みなさま💛
佳い一週間を過ごしてねぇ~~~♬(*'▽')♬♬
あんにょ~ん💛^^♪