野人はゴキが苦手だった。
苦手と言うより、見ただけで鳥肌が立つくらい大嫌いだった。
子供の頃からゴキは「アブラムシ」と呼ばれ不潔の象徴、人に嫌われホーキで追われていた。
小学校の時、目覚めると顔の上でゴキが寝ていた。
「ギャ~~~!」と悲鳴上げて部屋中駆け回り何度も顔を洗った。
当時から野人は蛇やクモやトカゲやガマガエルなど何でも掴むくらい嫌いではなかった。
子供はそれらに好奇心を持ち、平気で掴んでいたが大蛇まで捕まえて両手で振り回すのは野人くらいだった。
それでもゴキだけは苦手だったのだ。
思い返せばそれは親だけでなく皆が忌み嫌う常識から生まれたものだったのだろう。
カブトムシもクワガタも鈴虫もコオロギも同じような色だが人には好かれている。
山や野原に住めば好まれ、家に住めば嫌われると言うのも妙な話だ。
鈴虫やコオロギが家に住むとしたらゴキと同じような環境、スタイルしかない。
もしもクワガタがゴキの立場だったら、容貌からしてはるかにゴキよりも凶暴で駆逐されただろう。
そう考えれば人に害を与えることのないゴキは可哀そうだ。
せめて・・可愛らしい声で「ピ~ヒョロロ~~」と鳴くと良いのだが。
たまたま人と共存する道を選んだことは間違いだったのだろうか。
そんなことはない、自然界の仕組みは完全であり無駄なものなどないのだ。
3億年の歴史を持つゴキは必要だから人の側にいると考えるようになった。
イエグモもハエトリグモもヤモリもゴキも必要だから人の家に存在し、役目を果たしている。
クモやヤモリは人間に快適な環境を提供、ゴキは人が出す余計なものの掃除が担当、同じように役立っている。
ヤモリ、イエグモだけでなく、あの普通のゴキも野山で見かけることはなく、ゴキも彼らも人間と共生の道を歩いてきた。
近代家屋は昔の家に比べたらさぞかし住みにくくなったことだろう。
クモやゴキの卵からして無限大に増えそうだがそんなこともなく数は安定している。
まったく掃除もしない野人の家でも同じことだ。
野生動物と同じで食べ物が少なければ極端に増えることもない。
続く・・
ムー・マリックのゴキ芸よ~
http://ameblo.jp/muu8/entry-10724882979.html
ゴキの盆踊りと反省会
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ゴキの頬ずり ホタルの光・・ 2010 10月
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