病気見舞い サックス奏者 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

9月半ばのことだが、リハビリセンターまでお見舞いに行った。

元、ヤマハ音楽院の院長でもあり、当時、渡辺貞夫と並ぶ国内有数のサックス奏者の塚本紘一郎さんだ。

付き合いは野人がヤマハに入社した頃からだから非常に長い。

財団法人ヤマハ音楽振興会の理事長でもあった川上源一じいさんの供をして野人が赴任する島によく来ていた。

当時から一緒に釣りをしていたが、三重に来てからもそれは続いた。

じいさんに似て子供みたいなところが多く、我儘だが憎めないのだ。

真冬の大王崎沖、水深500mで深海釣りをした時は、船から海にオシッコするのに手がかじかんでズボンのチャックが開けられなくなった。

「辛抱でけへ~ん! はよあけて~!」と駄々をこね、種子島から野人が連れて来た部下が開けてやった。

荒れた海に落ちないよう掴まえてオシッコさせてあげ、チャックも閉めてやった。

ヤマハを退社してからも船の事になると野人に頼みごとをして来た。

今年の春にもマリンビレッジに来たが、脳溢血でやや体も言語も不自由になり、3女の「奈加ちゃん」が手を貸し、通訳もやらされていた。

何言っているのかよくわからんのだが、娘は感心するくらいお父さんの面倒を見ていた。

夏前に電話があり、八重山諸島の小浜島に家族で行きたいと言う。

ヤマハのリゾート施設「はいむるぶし」が出来る前から彼も野人も関わり、出来てからも何度もじいさんと訪れた思い出の地なのだ。

体が何とか動く前に行きたかったのだろう。

野人も昨年の11月、原人と石垣島の土人さんを連れて訪れたが、世話してくれたのは同期生で社長をしていた友人だった。

彼に電話して塚本ファミリーのお世話を頼んだが、6月末で退社と言うことでこれが最後の仕事になったようだ。

ところが・・・着いた途端にまた・・脳溢血?で倒れ、石垣島の病院へ入院、彼には本当にお世話になったと感謝していた。

今度は歩けなくなり、三重で入院、リハビリセンターにいたのだが、やっと行けるようになった。

ベッドでマグロのようになった塚本さんを奈加ちゃんは付きっきりで面倒見ていたのだが・・

「あそこが痛い、痒い」と言われて「ハイハイ~」と応じる姿は母親みたいだった。

奈加ちゃんはお父さんが仕込んだのか今はミュージシャンだ。

3姉妹でサックスバンドを結成、「ツカモトシスターズ」として活躍している。



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ツカモトシスターズ

http://www.kenney.jp/html/ts.html


小浜島の農園

http://ameblo.jp/muu8/entry-10719155872.html

地下足袋でホテルを歩く原人

http://ameblo.jp/muu8/entry-10719313398.html