茶屋人の珍茶 | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

原人がメバルカレーを食べてから協生茶園に向かった。

2人とも海から上がったままの格好だから川に飛び込むつもりだった。

宮川は台風の豪雨の影響で濁り、氾濫したようでいつもの神社の下の道は泥で埋まっていた。

夕方まで茶園を調べた後、茶屋人の工場に寄った。

茶屋人は今年の紅茶作りに追われていたが完成したばかりの紅茶を勧める。

紅茶は数カ月熟成させないと香りはしないのだが、今年は気合いが入ったせいかすぐ飲めると言うのだ。

2人で飲んでみたのだが・・・紅茶の味も香りもせんではないか。

気合いが足りん。


無茶人の依頼で初めて作ったと言う「ウーロン茶」も試飲してみたのだが、いつものウーロン茶ではない。

飲みやすいのだが未知の味に変りない。

発酵させて紅茶になる前の段階がウーロン茶なのだが、こりゃ一体何だ?

「本場のウーロン茶って飲んだことないし」・・・と茶屋人がのたまう。

3人で協議した結果、この摩訶不思議な珍茶は・・

「ムーろん茶」となった。

原人はこのムーろん茶と未成熟紅茶をどっさり土産にいただいて御機嫌だ。

味はともかく、肥料農薬を使わない茶に変わりない。