「ゴキども集合!!」 と・・・
語気を強めて台所で野人は言った。
これだけ掃除しないと家はゴキだらけになっているはずなのだが、イエ蜘蛛の「イエ太郎」達のおかげでまあ我慢出来る程度で済んでいる。
ゴキどもは領域をわきまえ、野人の聖域にはそれほど入って来ることはない。
たまに・・野人と遊びたいゴキが恐る恐る足元や天井から近づいてくるだけだ。
ゴキにも個性があり、野人を見ても極端に怯えて逃げるゴキはいないが、馴れ馴れしく寄って来るゴキは限られている。
お手をしたり、手に乗ったり、歌を歌うと踊り出すゴキで、そいつらが部屋に入って来る。
いきなり夜中に台所の流しに行くと、慌ててコケて裏返しになって起きられず、悶絶しているゴキも元に戻してやった。
あまりにもドンくさくて・・つい・・
「バカタレ」・・
慌てて風呂場で滑って落ちて悶えるゴキも指に掴まらせて復元してやった。
にもかかわらず・・・どうにも許せんことがあったのだ。
集合と声をかけると、数匹は逃げ腰だったが、物の隙間からケツが見えているので尻を指で突き、こちらを向いて話を聞くよう促した。
そして、ゴキどもに向かって一気に言った。
「あちこち・・・ンコすんじゃねえ~~!」
無理なこととは承知の上で・・・言った
「ここじゃ・・ここ・しや~ネル!」
ンコ・・これ・・
ゴキ達は神妙に聞いていたが、もしもちゃんと出来たらご褒美に・・
好物のキウリでもあげるか