猛暑の中、塩製造販売の許可について保健所に行った帰り、暑くて干からびそうになった。
暑い時は「うなぎ」にかぎる。
脳裏をうなぎのかば焼きがかすめた。
通常はここでウナギ屋へ行くのだろうが野人は違う。
基本的に食い物は自分で獲るもの、それが面倒な時は買いに行く。
あいにく今年はまだうなぎの仕掛けを川に入れていない。
そこで水浴びがてら潜って捕まえることに決めた。
家のすぐ近くに宮川があり、その鉄橋の下に飛び込んだ。
先日の渓流ほど冷たくて快感ではないが、まあまあの冷え加減だ。
鉄橋の下はえぐれて深みになり、水深は3mくらいでまだ濁っている。
難点は、真上を電車が通ると非常にやかましいことこの上ない。
石や流木をめくってもうなぎの奴は見つからず、手長エビしかいない。
仕方なく、海老と遊んで帰ることにしたが、身体が適度に冷却されたからまあいいだろう。
手長エビは食われるのを嫌がり、長いハサミで野人の手をはさむのだが分厚い手には通用しない。
そこで・・・手長エビに言った。
「大丈夫 食いたいのはお前ではなくウ・ナ・ギ」
逃がしてやると手長エビは喜んで川へ戻って行った。
いつか手長海老天丼が食いたくなった時は、そうはイカんのキンキラキンだ。