キジが隠れるアスパラガス | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

野人エッセイす


気付かなかったが昨年より早くアスパラガスが出て来た。しかも太い。アスパラはビタミン類が多く、アスパラギン酸はこのアスパラから発見された。ジュースにして活きのいいアスパラギン酸でも飲むかな・・。おたまじゃくしのように元気なギンちゃんを・・このところ野人はお疲れ気味だ。腰のちょうつがいもズレているかも知れない。工事の肉体労働に加え、柔らかいソファーでコテ・・も原因の一つだろう。昔は野人式呼吸法で息を吐き出す瞬間に頭のてっぺんから足の爪先まで持てる力のすべてを込めて筋肉を硬直させると「ビシビシ~!」と体中の歪んだ骨が正常に戻っていたのだが最近はうまくいかない。昔から運動嫌いなのだ。一度の呼吸法30秒で全身から汗が噴き出すから3回が限度だ。気もほとばしり魔も近寄らない。片手の拳で腕立て伏せしても「バキバキ」と背骨が真っ直ぐになっていたから整体は必要ではなかった。子供の頃から自然治癒、自力治癒がモットーだ。

アスパラガスは地中海原産で、オランダから日本にもたらされ歴史は古いが、ホワイトアスパラとして大正時代から栽培が始まった。輸出用の缶詰だったから子供の頃の白いアスパラはご馳走だった。グリーンアスパラが出回り始めたのは昭和40年以降だ。アスパラの寿命は15年くらいで、大株になり毎年勝手に生えてくるから重宝する。

アスパラの和名は「オランダキジカクシ」。オランダが付くと言う事は当然日本キジカクシもある。クレソンのオランダミズガラシと似たようなもの。

キジカクシとは野山に生える多年草でアスパラガスと同じ仲間だ。細い茎が生い茂るとキジがよく隠れるようになることからこの名が付いた。キジカクシには2種類あり、実が熟すと赤くなるキジカクシは日本海側に多い。実が黄白色になるクサスギカズラは太平洋側に多く見られる。

野人の実験農園にはアスパラガスの中株が50くらい、子株が100くらいはあるが、まだキジが隠れるほどでもない。すぐ隣の荒地はセイタカアワダチソウのジャングルになっていてキジが住み着いている。昨年も子連れのキジが農園を縄張りにして我が物顔で歩き回っていた。今のところ施肥もして農園の環境保全に協力しているが、あまり増えすぎるようなら少しは食ってやろう。そのうちアスパラの林は「キジハウス」になるかも知れない。「頭隠して尻隠さず」はキジのドン臭い隠れ方から出た格言だ。その気になれば簡単に捕まえられる。野人は小学校の頃から山でキジを捕まえ食っていた。キジとはノウミソの大きさが違う。アスパラ林を住処として与え、キビ団子で餌付けして、忠誠心を植え付け、農作業員として働かせるか・・キジ1号、2号、3号・・整列~! あはははは~