「直江兼続」という武将 | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

今夜から大河ドラマで「天地人」が始まる。上杉家の武将直江兼続を取り上げたものだが、野人は兼続についてはそれほど詳しくない。視聴者も同じだろう。謙信の養子の景勝の参謀としては昔から知っていたが、それほど歴史の表舞台には出て来ない武将だ。以前、「天と地と」と言うドラマは上杉謙信を取り上げていたが、今回はその息子の家臣。戦国時代に限らず歴史上の名だたる武将はほぼ出尽くしたようだから仕方ないだろう。

野人は見かけによらず歴史に詳しい。特に戦国時代の合戦と言う合戦はその原因から勝敗、勝因、敗因まで頭に叩き込んでいる。歴史読本も長い間購読していたし史書も随分読み漁って研究した。歴史家のように細かいところまでは勉強しない。兵法に役立つ要所だけは押さえたつもりだ。だから高校日本史のような年代や人名などはさほど気にしなかった。孫子の兵法は自然界の道理を活かした兵法。野人もまた知らないうちに同じような道理を身につけていた。「歴史から学ぶ」とは同じ過ちを繰り返さず、それを教訓に新しい時代を築くことだとも思っている。つまり温故知新だ。中国の古史から日本の合戦を片端から調べ上げた。特に史書からこれは・・と思った合戦や武将は参考になった。反面、謀略や陰湿な暗殺が渦巻いた幕末はあまり関心が湧かず詳しくもない。坂本竜馬や西郷隆盛については一通りの事は知っているし個人的にも胸が痛んだ。

戦国武将の中でも、孤立はしていたが戦の天才だと感じたのは上杉謙信で、義を重んじ欲がまったくないところが好きだった。個人の野心よりも国家の未来を考えていたのは織田信長だと感じている。魔王と呼ばれ歴史に残る殺戮はしたが、その反面誰よりも優しい心を持っていたとも感じている。強さで言うなら伊達政宗か武田信玄だと思うが、上杉謙信には及ばなかったように思う。野人が戦が強いと感じた武将で登場していないのは北条氏康くらいか。直江兼続のような参謀で優れていた人物は他に尼子氏に仕えた山中鹿之助や秀吉に使えた竹中半兵衛が有名だが、その内登場してくるのかも知れない。山本勘助も映画で登場している。捉え方は自由だが、戦国には表には出ないがもっと優れた武将や軍師が大勢いたことだろう。持って生まれた身分もあれば武運もある。草に埋もれて行った武人をもっと知りたい、そんな思いがたまにはこみ上げてくる。いずれにせよドラマでは兼続をどのように描くのか興味はある。