思考の盲点 下を向いて歩こう | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

上を向いて歩こう、涙がこぼれないように・・・そうは言うが、視界が悪いから早くこぼれるよう下を向き、早く乾くように前を向いて風を受けて歩いたほうが良い。

しかし拭いた方がもっと早い。


「石につまづいて転んだらど~すんだ」・・


この歌を聴くたびにいつもそう思ってしまう。野人は昔から天邪鬼だったのだ。

まあそこが人の心の複雑さで仕方ないが、心は沈まず上向き、姿勢は前向き、思考は下向きのほうが良いのだ。

人間はプラス思考が好きなせいか前へ前へと進もうとする。

足し算ばかりで引き算が出来ない。

その為にお金と労力を惜しみなく使う。

これでは環境も健康も悪化するばかりだ。


ファッションなど流行を追う感性は仕方ないにしても、現実的で切実な問題にもプラス思考を持ち込む。
「これがダメならあの方法」と言うのがそれに当たる。
健康に関する食、ダイエット、病気などの対策だ。

ほとんどの人が色々試したことだろう。

その残骸が脳裏にも押入れにもゴロゴロしているはずだ。


先日のコメントを記事にして欲しいと言う要望があったのでもう少し詳しく書くことにした。

コメントは以下の通りだ。


未知の生命体より足元の小宇宙  生命を知らずして宇宙生命でも・・・

星を知らずして 占星術も・・・

土を知らない農家に 海を知らない漁師

食の本質と食材を知らない消費者 人に言われるまま 覚えたまま・・・


いやみとも受け取れる文句だな・・


未知の生命体や宇宙に情熱を傾ける友人に言った事がある。

「お前は地球に住んでいる、地球の事も足元の生命さえも何も知らないのに空ばかり見上げてどーすんだ?」

占星術を職業とする友人に星のことを聞いたら何も知らず、専門外だと・・・

創意工夫はしているのだが、土や草や虫を立体的に捉えて大地の仕組みを理解している農家には会った事がなく、漁法は詳しくてもそれ以外の海の仕組みや魚について詳しい漁師にも会った事がない。

双方とも習い覚えた作る技術、獲る技術を何十年も磨き続けた事には変わりないのだが・・

その点においては素人から見ればプロと言うことになる。

だから野菜作りは農家に教えを請う。


しかしそれが間違っていたらどうするのか。現に農業は壊滅状態だ。

漁業も農業も何処かが間違っていたから現状を招いたのだ。

生産者も消費者も農学者も認識が間違っていたからこのような結果になった。

それぞれに言い分はあろうが既に数十年間の研究の答えは出てタイムリミットだ。

健康を害し、環境も病んで修復もままならず後継者もいない。


上を向いて壊滅したノルウェーの漁業は下を向いて復興したが日本はいまだ迷走している。

農業は消費者と生産者が下を向いて「土とは何か」を見つめなければ復興しないだろう。


土は地球の一部で多くの生き物が協力して生み出すものだ。
土も野菜も人が作るものではない。
人の科学で作ろうとした時から農業は崩壊の道を歩き始めた。
それに足並みをそろえるようにここ数十年でわけのわからない病も蔓延してきた。

しかし人はさらに薬品や品種の改良に目を向け、健康を取り戻す為にサプリや薬の摂取を望む。足元を見ることなく本当に足し算ばかりだ。

陰陽の法則は思考にも当てはまる。人が宇宙の一部である以上・・