黒鯛一撃 獲っちゃった~! | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

 

昨日の昼間、潜って一撃ゲット。海に入ってから1分間だ。

これ以上無駄な殺生はしなかった。慈悲の心で・・・と言いたいのだが、モリのゴムが切れたのだ。

パンツのゴムのように、ブツン~と・・・

数年手入れしていなかった。

 

この愛用の「手モリ」は20年以上使っていて愛着がある。

特注で鍛冶屋さんにモリ先を作ってもらい、自分で随分手も加えた。バランスやゴムの強度も大切だ。

中学高校では対象魚に合わせて工夫した自作の竹モリを3本持っていたが、結局このステンレス製一本に落ち着いた。

 

飛び道具の水中銃は好きではない。昔は護身の為にサメには使ったが魚には使いたくない。その気になれば黒鯛はいくらでも突ける。 高校の時でさえも竹にゴムを付けたモリで5枚くらいは突いていたのだ。

数を求めるなら、一日船で漁労に励めば、30cmから50cmまでの黒鯛は20匹以上は仕留めるだろう。

 

大型スズキも。この射程距離80cmの「短いモリ」には歴史がある。

東シナ海では十キロ以上のクエもヒラマサも突いた。

本土に来てからは6キロのブリも仕留めた。

深い海で、水面から一気に15m下に遊泳していたブリの群れに突っ込んだのだ。

 

頭を突いて胴体を抱え込んで浮上した。極端に近づくから命中率が高い。

そこの漁港のバアちゃんが腰を抜かすほどたまげた。

その前年はイシダイなど十数匹、十キロくらい魚を突いて網に入れて上がって来たのを見ている。

アワビ獲りに深く潜る男はいても、イシダイ等の大型魚を突く、ましてブリを突く男など見たことがなかったらしい。

 

イシダイも百枚以上は突いたし、殺生を繰り返してしまった。 どうしてもモリを持つ手が遠ざかってしまう。

しかし昨日はどうしても海のない県から来た親子に、黒鯛を食べさせてやりたかったのだ。

 

必ず頭を突くのだが腕が鈍ったのか胴体に当たってしまった。

ゴムが切れたのは、それだけにしておきなさい・・と言うことなのだろう。

クロダイは40cm足らずだったがそれで十分喜んでくれた。