クサイチゴは背丈が低く、草むらに隠れていることが多いのでつい見逃してしまう。野生のイチゴでは比較的大きな赤い実をつける。子供の頃はこのクサイチゴばかり食べていた。通常の2倍くらい大きなクサイチゴが群生する秘密の谷は誰にも教えず、毎年ザル一杯のイチゴを収穫していた。クサイチゴと間違えやすいのが「蛇イチゴ」だ。子供の頃は毒があるから食うなと言われていたが、そんなことはない。生で食べて構わないしジャムにも出来る。ただ、甘くもなく味がないだけだ。見分け方は簡単だ。クサイチゴはみずみずしくて甘いがヘビイチゴは味がない。安心して食べてみれば良いのだ。イチゴ類に毒はないし不味くもないから大丈夫だ。決定的な違いは、実は「草イチゴ」は木で、蛇イチゴは草なのだ。蛇イチゴは漢方薬で使われる「薬草」でトゲがない。クサイチゴは一見草に見えるがれっきとしたバラ科の低木だ。だから茎には当然小さなトゲがあるが痛いと言うほどのものではない。