家に帰って来た私は、まず新聞を読みました。

たまたま父が病院に行く前の日から、医療欄に膵臓がんの事が

載っていたからです。

その記事に出ていた患者さんは、膵臓がんを告知されたが手術は出来ず

絶望していたが、主治医に勧められた「ジェムザール」という抗がん剤を使い

がんが小さくなった。その状態で2年間普通に生活しているというのです。

それを読んで「なんだ、薬で何とかなるものなんだ」と初めは思いました。


そもそも膵臓って何?どこにある臓器?

そう思って調べると、膵臓は胃の裏にあるニンジンの様な形の臓器。

主な役割はインシュリンを出して血糖値をコントロールする事。

そして、膵臓は沈黙の臓器とも言われ、病気を発見するのが難しい事。


それから「膵臓がん」を検索。

すると出てくるのは絶望的なものばかり。

見つかった時には既に手遅れな事が多い。手術が出来ない限り完治は無い。

見つかって1年以内に殆どの方が亡くなる。5年生存率も10%ほど。

そして抗がん剤も2種類しかない事。


調べれば調べるほど手は震え、目の前が真っ暗になりました。

「お父さん死んじゃうの?まだ58歳なのに?もう会えなくなるの?」

頭の中はそればかり。


うちの家族はとても仲が良いんです。

特に私と父は仲良しで、良く二人で出かけていました。

映画を見に行ったり、ドライブに行ったり。

子供の時はひたすら怖い父でしたが、私が大学に入った頃からは

特に仲が良く、本当に良く出かけていました。

大学進学を反対していた父でしたが、いざ私が大学に入学し

授業が少ない日などは「今日は休んじゃえば?映画見に行こうよ」と

言ってきて、出かける事が多くありました。

私が就職し、県外へ転勤になった時も、車にぎゅーぎゅーに

荷物を詰め込み、引っ越しを手伝ってくれました。

そして休みで家に帰ると、自分は次の日仕事なのに

夜、片道1時間以上かけて車で家まで送ってくれました。


また、母と父も凄く凄く仲良しでした。

出かける時はいつも手を繋いでいたし、おはよう、おやすみ

そしていってらっしゃいの時は必ずキス。

子供心に「お父さんとお母さん仲良しだなぁ」といつも思っていました。


父は大変な人嫌いで、家族以外と出かける事は全くありませんでした。

家族が大好き、家族が一番。そんな人でした。

ですが同時に偏屈でもありました(^^;)

普通に家族で過ごしていて急に機嫌が悪くなり、ご飯も食べずに

寝てしまったり、理不尽な事で怒ったり。

手を出したりする事はありませんでしたが、扱いづらい一面もありました。

そんな時は「お父さんなんていなくなっちゃえばいいのに」と

思った事もありました。


でもまさか、本当にお父さんがいなくなっちゃうかもしれない事が

あるなんて…。

母はがん家系ですが、父の家系にがんになった人はいません。

なので本人も周りも、まさか父ががんになるなんて

これっぽっちも思っていなかったのです。


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