☆飼い主の『犬を正しい行動へ導く行動』の強化子☆ | § MUTUAL BOND §  ~犬のココロのミカタ~

☆飼い主の『犬を正しい行動へ導く行動』の強化子☆

今日も終日講習会☆

講習を受講されても実技を受けられない方も大勢いますが、それでは正直、勿体無い。

せめて実技を最低でも20回は受けていただけると犬の変化、飼い主さんの考え方の何を正すべきなのか?少しだけ見えてきます。

特に子犬を飼育されている方。


随伴性の4つの箱も勿論ですが、シェイピング、プロンプト、フェイディング、リダクション、
フリーオペラントの意味などがきちんと理解出来てくると驚くほど犬が自発的に良い行動を行えるようになります。
つまり、良い行動が現れやすい環境を飼い主が設定出来るようになるため、悪い行動を叱ったり、良い行動でも出来ない行動を無理やりさせようとし、動機を下げたりすることが減るわけです。


これは全ての事に共通します。


ケージやクレートトレーニング。
歯磨き、ブラッシング、ハーネス・洋服の脱着などのハンドリング。
飛びつき、引っ張り、吠え、咬みつき。
物品持来(持ってくる)、引っ張りっこ、ディスクなどの遊び。
何も指示をせずとも良い行動が発現する確率が極めて高くなるため、犬のアテンションは飼い主へ向けられやすくなるため、ハンドラーも犬も落ち着いた対応が出来るようになる。



では、なぜ子犬時期がそれほど重要か?

脳の発達やシナプスの可塑性・臨界期について


http://bio.phys.s.u-tokyo.ac.jp/index.php?id=17
http://www.riken.jp/pr/press/2010/20100127/
http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/189




記事にも書かれていますが

〓 生まれたばかりのネコやサルの目を一定期間閉じておくと、その後目をあけても盲目となってしまいます。視覚情報処理に関わる神経細胞の結合が正しく形成されるには、視覚刺激によって神経細胞が活動することが必要だからです。〓


〓感受性期の片目遮断による弱視はサルやヒトでも起こることが明らかになり、今では8歳くらいまで、とくに3歳までの子どもに眼帯を長くかけさせないことが眼科での常識となっている。〓



臨界期というのは非常に重要だとは昔から言われていますが、今ではそれを過ぎても可塑性があることがわかっています。
とはいえ、臨界期での神経細胞への刺激は非常に大切なのは変わりませんね。
興奮性神経細胞は従来通り、臨界期を過ぎれば可塑性がほぼ消失する・・・とのことですから、いわゆる好奇心などが無くなり、そこから遊びを教えようとしてもなかなか難しいのはそのためもあるのでしょうね。
特に子犬時期で好奇心旺盛な時に 遊ぶ行動一つ一つに対して付加的な強化ではなく、どれだけ内在的な強化を受けたか?が大事なんだと思います。

とはいっても随伴性がどのくらいの早さで変化するのか?
飼い主がよく理解していないと子犬を正しく導くのは難しいでしょう。


だから、飼い主さんの学びなんです。
飼い主さんの犬に対する先入観を取り払うための学びなんです。
最低でも20回も実技を受けないと見えてこないのは、それほど先入観が強く根付いているから。

その先入観はヒューリスティック。
『簡単に物事を解決』 しようとする方法は経験則からなる。
そのヒューリスティック(経験則)の中身にはバイアスが多く含まれるため、社会的問題へと繋がる。

簡便な解法によるヒューリスティックが自己解釈を拡げてしまうなら
複雑で難しい解法によるヒューリスティックを実技にて
『何度も』実際に『目で見て』学んでいただきたいと願います。

それが、飼い主さんの
【犬を正しい行動へ導く行動】の強化子となりますから。