☆子犬の胃腸☆ | § MUTUAL BOND §  ~犬のココロのミカタ~

☆子犬の胃腸☆

なにもかもが未成熟な子犬



生後約12週あたりまでは社会化期とよばれ、

様々な外的情報を得ながら急速に脳や身体の発育が進みます。

その後、少年期に入り、犬種や個体差によりますが成犬になるまでには

生後1歳~2歳までかかります。



大型犬、小型犬によって成長速度が全く異なりますが

生後5ヶ月前後までは離乳食やパピー用フード、食事回数も1日3回以上が

望ましいとされています。空腹時の間隔が大きいと低血糖となりやすいため。



この子犬の離乳後の時期に気をつけなければならないのが



食事の質です。



最近では昔では考えられないほどの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が

多くみられますが

その原因は様々で、社会化期の過ごし方、早くから母親・兄弟と離されたこ

とや、幼犬期のあまりに衛生すぎる環境(ペットショップなど)、ワクチンの過

剰接種などいろいろ言われています。



ですがもうひとつ注意すべき点があります。

特に食物アレルギーに関してですが、早すぎる離乳と、急な食事変更です。



一般的には生後約3週程度で母乳をやめ、離乳食へと移行しますが、この

頃の子犬というのはまだまだ、胃腸内の免疫機能などが未成熟で、急激な

食事変化には対応できません。



理想では生後6週前後までは離乳食と母乳を並行して与えるのが望ましい

のです。

ですが、多くのペットショップでは早い時期に母親と離すためそれは困難です。

そのため、ヤギミルクやパピーミルクを与えながら離乳食を行います。

しかし、正直、どんなに良いミルクでも母乳には勝てないのでご理解ください。



次に未成熟な胃腸へのドライフードですが、栄養バランスが整っているため、

与えるのは良い気がしますが、本来であれば加熱処理された穀類など含ま

れるフードを母乳が終わったからといって与えるのはおかしな話しです。


未成熟な胃腸であれば、より消化・吸収に負担の少ない食事にするべきな

のです。

そのため、ムリヤリ、ドライフードをふやかすという方法を行いますが、これ

でもまだ消化力を上げるに至りません。


ドライフードというのは「加熱発砲」された食事です。

タンパク源や脂質といった栄養素は消化や胃腸への負担のことを考えれ

ば加熱していないにこしたことはないのです。

炭水化物は加熱処理した方が消化されやすいというのは人間も同じです

が、犬にとってタンパク質、脂質は新鮮であればあるほど消化・吸収力も

あがり、胃腸への負担が少なくなります。特に質の悪いタンパク源(穀類主

体)としたドライフードは恐ろしいくらい下痢します。


ただし、子犬時期は低血糖などにも気をつけなければならないので、糖類

の摂取も注意が必要です。

そもそも低血糖とは体内の血糖値が著しく下がることで起ります。

ストレスや感染症によるものもありますが、長時間食事を摂らないことや

嘔吐・下痢など胃腸障害を起こして十分な栄養吸収ができていないことか

ら起ります。

成犬では長時間食事を摂らなくても肝臓内に貯蔵されたグリコーゲンを分

解し血糖値を維持できますが子犬にはできません。


成犬でもそうですが、食事の種類など毎日同じモノを食べていた場合、フ

ードを変更する際は基本1~2週間ほどゆっくり時間をかけて変えていか

なければ体が対応できず、下痢をする場合もあります。

子犬であればなおさら、母乳が終わったからといって急激に変えるのは

望ましくありません。


母乳が終わり、急激に加熱処理された数多くの食材が含まれたドライフー

ドだけに頼るというのは、胃腸障害を引き起こしかねません。

ですが母乳を並行して与えるのが難しいのでせめて、ドライと並行して新

鮮な食材を与える方が良いのです。



低血糖やアレルギー、胃腸障害などのことを考えれば子犬時期にはより

良いフードの質が求められ、時間をかけて変更することが望ましいのです。

生後3週~4週で離乳が始まりますが、本来では望ましくないのですが、

もし生後1ヶ月程度で家に迎え入れた場合はそこから1~2週間はゆっく

りと慣らす必要があります。



・冷凍のローフード8割、

・1割は穀類主体ではなく肉主体のドライフードをふやかす。

・残り1割を生肉にし、パピーミルクを使用にすること。

・食事回数は1日3回以上に分けること。


※できれば、母乳と並行し1週間ほどは1品ずつ食材に慣らすという感覚

で牛、鶏、馬肉、その後に白米、穀類、野菜(ペースト)などを与える方が

望ましい。



1~2週間ほどかけてゆっくりドライフードの量を増やし、慣らしていけば

良いと思います。


そもそも低血糖というのは、どれだけ栄養価の高いドライフードを与えて

いたとしても、それを消化吸収する胃腸が万全でなければ陥るのです。

下痢を起こしていては何の意味もありません。

まずは胃腸への負担をさけ、できるだけ新鮮なものを与え、免疫力・胃腸

機能を向上させなければなりません。


ちなみに

低血糖とはブドウ糖摂取で治療を行いますが、

ブドウ糖は本来、単糖類です。

砂糖や蜂蜜が応急処置などで使用されますが、砂糖は小糖類、

蜂蜜は単糖類ではありますがフルクトースとよばれるものでブドウ糖とは

少し異なります。

多糖類や小糖類は最終的に単糖類に変換されますが必ずしもブドウ糖

へと変わるわけではありません。

また、変換の際には必ず、その作業を行うために臓器への負担がかかります。

ですので、最初からブドウ糖の多く含む食材、果実、特にバナナなどを摂取

する方が効率的であるといえます。

ですが、当然、過剰摂取は逆効果ともなりますので

与えすぎには注意が必要です。


子犬の胃腸・・・

十分に配慮してあげてください。