クリアランスとは「薬物が溶解している液体」を「消失」させる速度のことです。

学生時代はこの概念がなかなか理解できなくて、「濾過」のイメージを誤って持ってしまい、負のループにハマった記憶があります。

 

 

投与した総量をD、代謝・排泄機構を通った後の最終的に血中に残った薬物の総量をAUCとすると全身クリアランスを求めることができます。

 

 

 

また、この式より

AUC = D/CLtot

と変形できることで、CLtotとAUCは反比例していることがわかり、

例えば腎機能に依存している薬剤であれば、比例計算で投与量を設計することが計算式上わかります。

 

例えばこれを応用しているのが、

これはCockcroft式とMoelleringのノモグラムにもとづくvancomycin投与設計です。

VANCOMYCIN IN 2008: 52 Years Later… Learning Objectives Question ...

 

 

次に消失速度定数についてです。

「消失速度」は先にも述べたように、クリアランスのことです。

それを決めている定数が「消失速度定数:Kel」となります。

消失速度定数(Kel(hr-))は、CLtot(血中濃度を決定する因子)を薬剤の溶解している液体の全体量(Vd(ml))で割ることでを求めることができます。

途中の計算は苦手なので、もうちょっと理解が深まったら編集します。笑

Vdは結局大きければ大きいほど、消失に時間をかけてしまうので時間を決定する因子です。

 

Kel = CLtot / Vd 

という式が成立します。

 

ここでKelは次のグラフの勾配であることをイメージしておくことが大切です。

 

 

 

ただしこれだけではあくまでPK/PD理論に基づく投与設計であり、「患者の状態が固定されている場合」という条件をクリアしている必要があることに注意が必要です。

 

”「患者の状態が固定されている場合」に計算上、投与量を変更した場合の予測ができる”

という考え方なので、いくら机上で計算をしたところで、臨床では患者の状況を考慮しなければ、机上の空論で全く意味のないものとなることに注意です(薬剤師あるある)。