昨夜から、橙色で毛の長い子猫「モチヅキ」を飼うことにした。

   仕事終わりに嫁と二人で、お世話になっている農家さんの仕事場で生まれた野良の子猫をいただいてきた。まだ明るいうちに捕まえようと、車を飛ばして駆けつけたが、日が落ちるのが思いの外早く、ライトをつけないと猫を見つけることができなくなっていた。
    夜空には見事な満月が浮かび、10月に2度も満月があるのは46年ぶりとの事で、そこから子猫の名にあやかった。満月のままだとお互いに気にいらなかったので、異称である「望月(モチヅキ)」と名付けた。満月であろうとする姿勢が感じられる響きがあり、嫁と二人で良い名がつけれたと喜んだ。

    帰宅後、直ぐに爪を切り、ひどい目ヤニをとり、風呂場で洗い、ノミ・ダニ対策をしてケージに入れた。我が家では既に3匹の猫姉弟を飼っていることもあり、ケンカや寄生虫対策のためだ。息が荒く、痩せすぎていたのも、野良生活しかしてこなかったからだと独り言ち、この時はまだ気にしなかった。


    その日の晩には準備したトイレで大と小をし、次の日の朝にはチュールを食べたため、安心して病院に連れて行った。
    痩せコケてはいたが体重は1kgあり、気にしていた目については問題なかった。しかし、後ろ脚に骨折が見つかったのと、肩で息をしている姿が引っかかり、レントゲン検査を受けた。 

 
    険しい顔で獣医さんが戻ってきた。
    骨折は交通事故にあった時のものだろう。大腿骨が折れ、繋がりかかった骨が写っていた。また、内臓がほとんど全て肺側によっていた。

     横隔膜ヘルニア。
    おそらく交通事故で横隔膜が破れ、内臓が肺側に入っていた。肩で息をするのも肺が圧迫されて苦しいからだ。
    説明を受けた時には横隔膜ヘルニアについて詳しい知見がなく、獣医さんの説明から、治る病気と思っていた。施術費用や時期を伺うと「10万くらいかな」「2キロくらいになってから手術しましょう」とこれまでの説明と変わり、曖昧さを含んだ返答が少し気になった。しかし、嫁と二人で手術を受けさせる腹づもりに変わりなく、帰路の車内で費用を工面する相談をした。この時はまだ、横隔膜ヘルニアよりも骨折した足に負担をかけないように育てるつもりでいた。

 


➖続く。