一部始終を写した映像の中のレッドさんは見たことがないほど取り乱していた。
レッドさん…と言うより、Lさんになって叫んでいた。
圭さんの親友だと言うスターさんの言葉が耳に残っている。
「すべて運命なんです!」
今にして思うのは、レッドさんと圭さんが初めて会った時、私もその場にいた。清音さんも…。
あの時酔った圭さんを慌ただしく連れて帰った清音さん。
本当に酔っていた?
そう言えば、圭さんがふらついて、レッドさんが支えた。
その時、発作を?
それとも…発作が起きなくて、圭さんはレッドさんに会いに来たの?
あっという間に仲良くなった二人。
私が二度目に圭さんに会った時、レッドさんと圭さんの歌声のハーモニーに感じていた。
二人は特別な運命で繋がっていること…。
私は…漠然と不安だったのを覚えてる。
私の特別はレッドさんだった。
レッドさんに出会って世界が変わった。
私は初めて本気で努力する事を知った。
目標を持って生きる楽しさを知った。
苦労の先にあるとてつもない幸せも…。
けれど、レッドさんと私は違う。
運命とは…
違う。そう思い知らされた。
「驚きましたよね?白亜さん。」
清音さんからの電話。
会見の最後に圭さんにかけよって、抱えあげたのは清音さんだった。
だから、メールをしたんだ。心配で…。
「圭さんは大丈夫ですか?」
メールと同じ事を聞いた。
でも自分でも、わからない。
何故、聞いたのか?
レッドさんにとって、特別な人でも私にとって圭さんは只の知人に過ぎないのに…。
「ええ、大丈夫です。今回の発作は酷くなる前に治まりましたから…。」
この答えに驚いた。
「今までもっと酷かったんですか?」
言ってしまってしまったと思った。
こんな事が何度もあって、それを側で支えてきただろう清音さんになんて事を…。
「えっ…あっ…はい。」
珍しく口ごもる清音さんに思う。
清音さんにとっても、圭さんは特別な人なんだ…。
初めて圭さんに会った日。
清音さんの弟だと言い甘える姿と二人の距離間に感じた違和感を思い出した。
確かあの時、清音さんとの出会い運命だと言っていた圭さん。
異国の地で出会った二人が長い間かけて築き上げた絆。
運命…。
そんなドラマチックな言葉で繋がる
レッドさんと圭さん。
圭さんと清音さん。
なんだか…とても遠くに感じて、寂しく思う。
圭さんが羨ましくなる…。
「圭が会見で話しましたけど、実は…」
「大丈夫なら良いんです。」
詳しく聞く気はなかった。
聞いたら、清音さんと圭さんの絆の深さを聞かされるようで拒否してしまった。
とても不自然に…。
「白亜さん?」
驚いた声に何も返せなかった。
どうしたら良い?
まさか言えない。
圭さんが羨ましいなんて…。
圭さんは病気で…
「何か心配な事でもあるのですか?」
そんな言葉を貰ってハッとした。
そう…私はこんなににも気遣って貰っている。守って貰っている。
なのに羨ましいなんて…。
「ないです。大丈夫です。」
「白亜さん…本当にそうですか?
ちゃんと話してくれませんか?
それとも…自分じゃ頼りないですか?」
「そんな事、ないです!只、ちょっと…」
「ちょっと?」
「こんな時に圭さんの病気の事などを考えたら、とても不謹慎で、申し訳なくなるのですが…圭さんが…羨ましくて…」
「えっ?ああ…」
「私も守って頂いているのに…すみません。
私…何を言っているのか…」
「謝らないで下さい。話して下さって嬉しいです。どんな事でも聞きますし、どこでも駆けつけますから…頼って下さい。」
清音さんにすでに甘えている自分に気づく。
こんな風にメールすれば電話して下さる事もわかっていた。
長女として生まれて、劇団に入ってすぐに注目されて、しっかりしなきゃと強がってきた。
上手く甘えられなかった自分に
繰り返し甘えて良いと話してくれた清音さん。
清音さんがいなければ、私は逃げ出していたかも知れない。倒れていたかも知れない。
幼い頃の出会いとあの時の再会。
今の私にとって、
ある意味運命なんじゃないかと思った。
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"運命"だらけだね。( ̄▽ ̄;)