朱196side白亜 | notes

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オリジナルのおはなしを書いています。



碧さんが退団発表した後の大劇場公演は無事、終わった。

普通ならば退団公演の集合日辺りに出される時期トップ内定の知らせが、今日出る。


東京公演の最後の稽古を終えて、組子たちにも話が伝わった。

「おめでとう!フジもおめでとう!」

沢山の祝福を受けて、フジと立てることが正式に発表された。


「おめでとう!白亜、フジ。
必ず、無事に二人でセンターに立つんだ。」

碧さんの言葉は嬉しかったけれど、そのうちに何かが起こるかもしれない不安を含んでいた。

「フジ、大丈夫?」

百々華さんはとくにフジを気遣ってくれている。フジも自然と百々華さんを頼るようになっていた。

「はい。まだ未熟ですが…精一杯ついていきます。」

フジも良い顔になった。

清音さんはフジのお父さんの事はもう心配いらないと言っていた。
フジのお父さんの無実は証明されたらしい。
復職することも出来るけれど、清音さんも引き抜きたいと言っていた。
優秀な人で引く手あまただって…。

あれから…レッドさんにも、私にも、みんなにも大きな嫌がらせはない。

只、この発表で…
何かが起こるかもしれない。


「見て!白亜。」

「やられたな、白亜…。
まさか、今日にぶつけて来るとは…。」

百々華さんと碧さんが見ていた携帯には…もうひとつのニュースがあった。

「Lがカムバックする。今度は最強のデュオとして登場。」

百々華さんが読み上げて直感する。

「Kさん?」

記事にデュオの相手の名前はない。
只、今夜映像が公開されるとだけ…。

でも…レッドさんがLとして組むとしたら…
Kさんしかいないんじゃないだろうかって。


「白亜とフジのニュースを潰す気でしょうか?」

「そんな、まさか…」

「いや、それが狙いかもな。」

百々華さんの言葉を肯定した碧さんに私も納得してしまった。
フジは動揺している。
どういう事かわからないんだろう。
あとで話しておくべきか?

レッドさんは私に向くであろうあの人の目を反らすつもりだろう。
それがなんだか悔しくて、切なくて、やり切れなかった。



「白亜ちゃん、今日はごちそうよ。食べに来てね。」

劇団を出た車の中、おばさまからのメールが入った。

「今日、清音さんから帰宅予定を知らせてくれるように頼まれました。」

運転中の代表が告げた。
メールの相手が清音さんだと思ったのだろう。

「珍しい事なので教えましたが、駄目でしたか?」

「いいえ。皆さんが私の事を気にかけて下さるのは嬉しいですけど…単純に喜べないのが辛いですね。」

すでにファンクラブの面々に先ほど、出てすぐ頂いた祝福の言葉。
嬉しかった。

けれど…
これから起こる事への心配の方がある。

フジのお父さんをすでに巻き込んでしまったから、誰かが次に何かされないか…それが心配だ。

レッドさんがLさんとしてKさんと組むとしたら…Kさんにも何か起こるかもしれない…。



「いらっしゃいませ。」

考え込んでいるうちにマンションについて、向かいに住んでいるおばさまのお家を訪ねると迎えてくれたのは清音さんだった。

「お久しぶりです。清音さん。」

頭を下げて思う。
メールや時おり電話でやり取りしていたけれど、会うのはすごく久しぶりだったから。

「次期トップ就任決定おめでとうございます。」

「ありがとうございます。」

言葉をやり取りしながらも二人の心は違う所を向いている事はわかっていた。

「清音、白亜ちゃん、時間がないわ。
先に頂きましょう。どんな時も温かな食事でお腹を満たしておけば怖いもの無しよ。」

おばさまの言葉に切り換えた。


食べて、自分のすべき事をする。
私は私のするべき事を…。



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テーマ別の『朱☆・僕こう』の☆は
トップスターの☆です。


まだなっていませんが、
正式に発表されたので…。(^^)