ヘンテコアリス
ずいぶん長い間、ブログも劇評も書かなかったが、久々に劇評ブログの記事としては、素敵な作品を紹介したい。劇団アニマル王子さんの『ALiCe iN StraNge WorLd -有栖川りか子とヘンテコ世界-』だ。
劇団アニマル王子さんの『ALiCe iN StraNge WorLd -有栖川りか子とヘンテコ世界-』を拝見した。アニマル王子さんを拝見するのは2回目だが、今回も非常に楽しんだ。
アニマル王子さんは「お客様のために」ということが全面に出てくる会場づくり、空間作り、作品作りで、私たちを楽しませてくれる。
”エンターテイメント”という言葉を理解させてくれる劇団の一つだ。ぼくらも見習うべきところがたくさんある劇団だ。
アリスとありす
ぼくらがしっている「アリス」と、「有栖川りか子」という登場人物。
この二人が交錯する作品だ。あらすじについては、割愛するが・・・「アリス」を知らなくても、「アリス」を知ることができるだろうし、「アリス」を知っていても、更に「アリス」が好きになる空間だった。
これは、脚本の力もそうだろうし、役者さんに力がなければ体現できないだろうし、なによりも、「ムダのない」演出(音、照明含む)の為せる技だと感じた。
舞台が総合芸術であることをアニマル王子さんを見る度に再確認する。
ムダのない演出
「ムダのない」演出と書いたが、これは「そっけない」とか「シンプル」ということではない。これは推測でしかないが、ものすごいプランをお考えになり、その中から、贅肉を削ぎ落とすように「ムダ」な部分を”絞って”いったのだと感じている。
ムダを切るわけではなく、ムダだと思われることを絞って、理想的な世界をバランスよく表しているように思うのだ。
よく「ムダ」を切る、と聞くが、アニマル王子さんはそれを絞って、理想的な世界にしているように感じる。
ぼくらも
ぼくらが見習うべきところがたくさんあるアニマル王子さん。
ぼくらもいつか、観ていただいている方々に最初から最後まで浸ってもらえる作品を創るんだ。