▼人間は非常に思い込みの激しい動物だと私は考えています。
▼例えば、仕事のタスクを考えている時に、「あ、これは優先順位が高いな」ですとか「あ、これは丁寧にやらないといけないな」と考えながら列挙すると思います。
しかしながら、そこに思い込みが入ってしまうと、本当に自分が為すべきタスクなのかどうかすら怪しくなってきますし、本当はやらなくて良かったことかもしれません。
▼はたまた、打ち合わせの時などに「あ、これは、きっとダメと言われるな」ですとか「あ、これは、きっと笑われるな」という思いがあったりすると、打ち合わせ中に発言すらできなくなってしまいます。
▼こうした事を少なくするにはどうしたらいいかと申しますと…
上記の例で言えば、タスクを洗い出す際は、
・何も考えずにまず、紙に書く
ということをします。その日にすべき事柄全て。昨日から続き、今日から始めると思えるもの全てを書き出します。
そして、その中で
・本当に今日やるべきもの、今日続けるべきもの、今日終わらせるもの
と言った〆切りの概念で絞ります。
更に、本当に自分がやるべきなのかどうなのかを検討します。
▼単純なように見えて、「思い込みを減らす」という観点からは最も有効だ、と考えています。
▼人間は知らず知らずのうちに「やってはいけないこと」を頭に思い浮かべなから、事柄を整理してしまうように思います。
例えば『人に任せてはいけない』ですとか『何でもかんでも先送りしてはいけない』ですとか…
こうした固定観念でタスクを洗い出そうとすると、抜けが出てくると思いますし、正確なタスクにはならないと考えています。
▼舞台演出でも同じで、「この俳優さんはこれはできないだろうな」ですとか「この表現は実現不可能だな」と考えながら稽古をすると…やっぱり、表現自体が狭まってきてしまいます。
まずはとにかく、制限をつけずに、”やっちゃいけないこと”なんてないんだ、という思いで色々やってみるのです。
そうすることで、新たな発見や真にやらなければいけないことがはっきりしてくるものです。
▼仕事を進めていく上で’やっちゃいけないこと’は後でいくらでも制限がつけられます。ずは、制限をつけずにすべて’やっていいこと’として捉え、削っていくやり方が面倒に見えるかもしれませんが、実は抜けがなく、最もわかりやすいと私は考えています。