▼先日、マルチ・アーティストのLuther-Hiroshi Ichimuraさんのリサイタルに座長松井とともに行って参りました!

 

▼一言で言えば圧巻。男の色気と言いましょうか、声はもちろんなのですが、仕草といいますか、立ち居振る舞いがカッコイイのです。

 

▼第一に、お声。これはもちろん、当たり前、当然、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・生で聞くルーサー市村さんのお声は奮えます。こちらの身体の芯まで響いてくるお声なのです。

 

▼正直に言えばクラッシクの歌手の方のリサイタルに初めて伺いました。「退屈なのかな」ですとか「寝てしまったらどうしよう」ですとか…最初はそういう考えも頭に浮かびました。しかしながら・・・始まって一秒もしないうちに背が離れました!(こんな上から目線なモノの言い方しかできないぼくの文章力のなさよ・・・あゝもっと磨こう。)始まってから終演まで・・・時間があっと言う間に過ぎてました。詳しくは書けませんが・・・個人的にはアンコールの最後の曲が非常に心が奮えました。

 

▼それでいて(そして、ルーサーさんのお人柄なのかもしれませんが・・・)非常に温かい空間なのです。奮えるのに温かい。心地よいのです。

 

▼もう一度聞きたい、もう一度観たい!と感じるリサイタル。

 

▼第二に、お召になっていた、タキシードと燕尾服。ぼくらにも言えることですけど、普段から着慣れていないと、「着せられている感」がたっぷりになってしまいます。しかし、ルーサーさんのタキシード姿も燕尾服姿も、素晴らしいのです。姿形はもちろんですが、立ち居振る舞い、歩き方、手の上げ方、開き方、締め方・・・まるでこの1ヶ月ずっと着ていたかのような・・・素晴らしいのです!

 

 

▼第三に、ピアノと共演者の方が素晴らしい☆加藤千晶さんが演奏されるピアノ。もちろんプロフェッショナルな方なのでこんな事を書くのは憚れるのですが・・・市村さんの歌と溶け合っているといいますか・・・どちらが欠けても変わってもダメなのです。”代わりが見当たらない声と音”と言いましょうか・・・もちろんリハーサルを繰り返されてのことだとは思うのですが、ルーサー市村さんの歌と加藤さんのピアノの融合。実際に聞いてみるとぼくが何を言っているのかご理解いただけると思います。

 

▼第二部のシェイクスピア遊び語りMINI~「じゃじゃ馬ならし」より~は構成をルーサー市村さんが、翻訳と演出を演出家三輪えり花さんが行われたスペシャルバージョン。この第2部を観た後にあの松井自ら「武藤さん、じゃじゃ馬ならしやりたいです」と言ってきたほどの面白さです。(新和座の公演をご覧いただいた事ない方にはわかりづらい表現かもしれません・・・)

 

▼演出家の三輪さんの演出ももちろんですが、ルーサー市村さんと三輪さんの息の合ったお芝居、語り。目の前に見えてくるイタリアの街の風景、道、料理、灯り・・・加藤さんのピアノでの台詞の表現。三輪さんの役の切り替え、ルーサー市村さんの喋る言葉。ぼくは作品を楽しみにながらも、気付けば拳を握っていました。悔しいとか悲しいとかではなく、今すぐ稽古がしたい、今すぐお芝居がしたい、できれば、目の前で繰り広げられている街に飛び込みたいと言う思いでいっぱいでした。

 

▼気付けば、2時間を過ぎていました。感覚では「30分くらいじゃねーの?!」という気分でしたが、びっくりしました。楽しいもの、素敵なものを観ていると時間が経つのは本当に早いです。

 

▼ぼくらもお客様に「時間が経つのを忘れた」と言われるくらいの作品を作ろうと心に誓ったのでありました。