▼リオデジャネイロオリンピック、体操男子個人総合で内村航平選手が金メダルを獲得されたそうです!おめでとうございます!!



▼重力に抗い、ご自身の筋力の限界に挑戦し、精神的にも挑戦を続ける。内村選手の日々の努力や、精神的な強さがこの結果をもたらしたのだと感じます。

▼スポーツとお芝居・芸といったものは基本的には違うと思います。しかしながら…共通しているところはいろいろあると感じております。

▼その一つが「挑戦」「抗う」ということです。

▼お芝居をしていてお金をもらうということは…自分の、というよりもお客様が出来無い事をする、というのが根底にあると思います。もちろんスーパーマンでも神様でもないので、全てが秀でている必要はありません。ありませんが誰もが出来てしまいそうな事をやっても、人の心は動きませんし、お金を払うのがバカバカしくなってしまいます。

▼経験ももちろんあるでしょう。しかしながら…何かに挑戦する、何かに抗う所を見せることで、人は心が動きます。挑戦が成功しようが、失敗しようが。抗いがうまくいこうか、流されようが…
結果はどちらにしても、挑戦する体勢、抗う身体をご覧になるころによってお客様の心は動きます。

▼先程もいいましたが、スポーツとお芝居・芸は違います。とはいえ…内村選手が重力に抗っている所、技の美しさ…自分には出来ないから目を奪われます。お芝居でも芸でも、自分の体力の限界に抗い、無いものを有るように見せ、お客様を巻き込んででも…立ち居振る舞いの美しさ、大きさ、早さ、ある時は粗暴さ。言葉の大きさ、湿り気、匂い、早さ、響き、感触…こうしたものの限界への抗いをするからこそ、お客様の心は動くのだと考えています。

▼お稽古でも練習でもレッスンでも、もちろん公演でも自分の持てる力を全てを使って、限界に抗い、限界に挑戦し、限界を超える事が肝心要だと考えています。限界を超えるために全力を尽くすよりも常に全力を尽くし、限界に抗い、限界が広がった方が良いとぼくは思っています。