『トリガー』つまり引き金の事です。
ぼくは”引き金が引ける役者”ってとっても素晴らしいと常々感じています。

役者さんは…特に始めたばかりの方々は、先輩や演出家や監督の言うことで頭がいっぱいになってしまって、それをこなすことに集中してしまうかもしれません。
もちろん、それらを素直な気持ちで聞き、実践し、お芝居として表現することはとても大切なことです。しかし、いつまでも”始めたばかり”の気分でいたら、いつまでたっても上達しないように思うのです。

その一つがこの”トリガーが引けるか”ということです。
何も拳銃を用意して、先輩や演出家を狙うわけではありません。(ぼくの事を撃ち殺したい、と思っている人もいないとも限りませんが…)
そうではなくて、”自分が契機”となってお芝居ができる役者さんは素敵だと思うのです。
つまり、出されたオーダーはもちろん、自分が”きっかけ”となって、共演者やスタッフをも動かすことができる役者さんって素晴らしいと思うのです。

人間ですから…言われたことをやっていて、それで何もダメな部分がなければ…それはそれで良いかもしれません。
しかし、オーダーされた以上の事を自分自身で動いてできる、というのは魅力的だと思うのです。

それには、周りの人をよく見て、聞いて、感じる事が必要であって一朝一夕ではできないとと思っています。
自戒を込めて書けば…”トリガーの引ける役者、演出家”集団を目指したいと考えています。