前回も書きましたが…物語の登場人物に主役も脇役もない、と考えながら、作品を作っています。

しかしながら…一般的も、お客様に知っていただくためにも『主演』というものはあると考えています。
私はこの’主演’というものを役割として捉えています。

どういうことかと言うと。
主演の仕事が出来る人間が主演になり得る
と考えています。

芝居がうまいだけでもダメで、顔形がいいだけでもダメで…
自分を含めた出演者全員、作品そのものを輝かせる事ができる、
そんな仕事ができる人が主演となり得ると考えています。

昨今の流行りで言えば「センター」とでも言いましょうか。
しかし、主演の仕事ができる人は、センターなどに居なくても輝き、全体を魅せる事ができると考えています。


これはアレコレ、出演者に指示するとか、場を盛り上げるということではなく、
作品を作っていく中で、役として生き、自分も他者も活かす芝居ができる、これが主演の仕事であると考えています。

もちろん精神的主柱にもなりえましょうし、
稽古の中では、自分の為ではなく、相手の為、作品の為の稽古をしていく。
極端に言えば、自分が目立たなくても、他の全員を際立たせる事ができる…そして、一瞬の行動で、その場を自分のモノにする。
それが主演の力だとも考えています。

作品を作っていく上で主役も脇役もありませんが…
出演者全員がこの主演の仕事を意識として持つことで更に素敵な舞台になっていくと考えています。