この歳になると…
色々な別れを経験する。

死別だったり、恋愛の末の別れだったり、仕事上の別れだったり。
死別以外は、どこかで生きているわけだから、
彼ら彼女たちがその後どんな活躍をしているかはなんとなくでも耳に入ってきたりするし、結婚や出産という嬉しい報せもあったりする。

恋愛での別れ…仲違いだろうが、なんだろうが…
相手は生きている場合が多いわけだから、嫌いになったとしても…過去の思い出まで消す必要はないって思う。

死別。
誰かが死んで、一番辛いことは、その声が聞こえなくなるって事だって僕は思っている。
もちろん声だけじゃないけれども…
その感覚、目と目があって話すこと、温もり…
突然消えてなくなることがある。
代わりなんかない、温もり。
時が経てば…それらは思い出の中で生きていたりする。
けど…
ふと、どんな声をしていたっけ?!って思い出そうとする時…
どうにも思い出せない事がある。
そんな時にとても寂しい気持ちが胸を支配する。

声という存在は非常に大きいと思う。
その人の考え方、思想、思考、思い、意思が声に詰まっていると思う。

だからこそ、声が聞けない事がとっても寂しいんだって思う。