僕は舞台を創っていて常に考えていることがあります。
それは
「役のしぐさや科白を含めた行動にはかならず理由と根拠は必ずある」
というなのです。

私たちが普段生活していて、なにげなく行っている行動も”必要”にかられて行動していると思うのです。
それが理由であり、根拠であるわけです。

役を研究することは脚本をよく読み込むことはあたりまえだと思いますが、その役の心理、背景を十二分に研究して、科白、(ト書き、ト書き外も含めた)行動というもの一つ一つに理由、根拠を見つけ出すからこそ、その役に愛着がわくと考えています。

楽せず、手間暇かけて、役を育てる。
こんな感覚でしょうか。

しかしながら、その理由は「(役者が)やりたいから」ではちょっと不確かになってしまう気がしています。
演出や作品のテーマを噛み砕きつつ、役者同士間、演出役者間などで関係性や理由や根拠について十二分に、幾度となく、話し合いたいものだと私は考えています。