スコープ

台詞は常にひとつの方向だけでなく、
その距離も相手も、対象の数も台詞によってまちまちです。

とある台詞は相手役だけに。
とある台詞は舞台上のすべての人間に。
とある台詞はその劇場・・・お客様の含めて全員に。

どれだけ遠いのか。
どれだけ近いのか。

台詞の距離感と言っても色々とあると思います。

例えば、
物理的に同じ距離にいるA,B二人の人間がいたとして、
A（もしくはB）だけにしゃべる場合と、
A,B二人にしゃべる場合とでは・・・
必然的に意識の向け方が違ってきます。

タイトルにしたスコープとは「視野」とか「範囲」とかいう意味があります。

台詞毎にその台本上にあるスコープを読み取ることも、役作りの一つだと私は考えています。
実際の人間関係でもそうかもしれませんが・・・
自分の役が他の役に及ぼす影響、その範囲を考えてみるのも、距離感を出す一つの方法だと僕は思います。