このブログでも何度となく書いてきましたが、お芝居をする上で”想像”することは重要であると思います。
講座などで勉強をはじめたばかりの方からこんな話を聞いたことがあります。
「○○がないからできません」

うーん。
これ、私には「想像力が貧困なのでできません」と言っているように聞こえるのです…


衣装や小道具、照明や音響・・・エトセトラエトセトラ・・・
これらのものはお芝居をするのに大事なものではありますが、それがないとできないというのはちょっと違うと思うのです。
もちろんこれらは想像力を高めるのに有効なものではあります。ありますが、これらがないとできないというは本筋から外れてしまうように思うのです。

また、衣装や小道具、音響や照明が急に変わることがあるわけです。
こうした時、これらのものに頼りすぎていたら対応できないということになってしまう気がするのです。
もちろん、変更には柔軟に対応してこその役者さんだと思います。

ではお稽古やレッスンなどでこれらがない時はどうすればいいか?!
それはもう、イメージを最大限に発揮してお芝居する以外にないのです。
今は恵まれた環境が多く、色々なものが準備されますが、それらに頼ることなく、イメージをまず大事にして役作りを行なっていくことが肝要だと思います。

衣装や道具、照明や音響はあくまで物語を具現化するための道具であって、
その道具に支配された役ではどうしたって真の心は表現できないように思います。
もちろん、その道具があるからこその力、表現も生まれることは言うまでもありませんが、それらがなければ、できませんというのであれば、役者は向いていないとも思うのです。

イメージを最大限にして五感を働かせ、ないならないなりの環境を利用して、お芝居、レッスン、お稽古を行なっていき、最大限の成果を得ることが肝要だと私は考えております。