技術だけではなく。

お芝居をしていると、色々な技術を学びます。

腹式呼吸だとか発声法もその一つ。
殺陣だったり、ダンスだったり、身体の動かし方もその一つ。
もちろん台詞術も。いろいろな言い方、
視線や表情もその一つ。

色々な技術というのは先生や監督、先輩の役者、演出の言葉から学ぶ事が多かったり、
良いな、と思う技術を見て盗み、真似てみて、自分のモノにしていくことも一つだと思います。

色々な技術が身につくと、色々と試したくなってきます。
そして、それが広がっていって、自分の、所謂幅が広がっていくと思います。

技術の習得というのはとても大事です。
これがないと、お仕事にもなりませんし、何も始まりません。

しかし、技術の習得に焦ることも出てきます。
また、ある程度、技術を習得するとそれに依存してしまうこともあります。

もちろん、答えがないものですから、技術だけでもうまくいく事もあります。
しかしながら、技術の習得とともに、常に心を磨くことも大事だと考えています。
それは、個の技術を磨くと共に、役者やスタッフが作品を作る、という公の心を持つということです。

役者さんだけでなく、スタッフも技術だけでなく、心を磨く事は非常に大切だと考えています。
作品は一人ではできません。
複数の人間が初めて『作品を創るために必要なものはなにか』という部分に思いを寄せた時、得た技術がはじめて活き活きとし、活かされると考えています。

技術だけに依存することなく、技術の習得も心もしっかりと練る。
バランスを取りながらお芝居というものは創られていくと僕は考えています。