いつも演出作業をはじめるはるか前、作品を手にとった瞬間。
演出作業の第一歩、キャスティングが始まる。
色々なパターンでキャスティングを行い、何回も読む。

どのパターンが一番しっくりくるか、というよりも、
どのパターンが一番テーマに沿っているかという事を念頭に置く。

したがって、テーマを重んじるあまり、お客様に受け入れられないという部分も当然出てくる。
しかし、新和座でも他の部分でも、僕が演出する時は、テーマと必ず照らし合わせる。


作品もそうだし、キャラクター(登場人物)たちに思いを馳せる。
一人ひとりのキャラクターの目線で物語を読んでみる。
そうすると、色々な事が見えてくると同時に見えなくなってくるものもある。
それをお稽古で解消していくわけなのだが…

この演出作業の最初から、配役する前にも配役した後にも、
作品とキャラクター達に対する思いはいつもある。
そうした中で、役者さんが役を育ててくれる。

僕の思いをくんでくれて、育った役を見ると、思い入れが更に強くなる。
キャラクターにも、作品にも。