キャスティングが決まると次は、その役の役者さん達と認識をあわせる行動を取ります。
物語を10人読めば10人分の思い、想像が出てきます。
これをバラバラに表現していたらとんでもないことになります。


どれくらいとんでもないか。
17世紀の物語をやっているのにいきなり携帯電話が飛び出すくらいとんでもありません。

演出である僕の頭の中身が俳優さんにダイレクトに伝われば、こんな楽なことはありません。
$偽典:もなから文書-古川 なら
$偽典:もなから文書-石井 ムトウ

上は各物語で行われる各役の関係性近いイメージの写真です。
この写真を撮るのにも一苦労なわけです。
つまり、台本を読んだだけでは伝わらない、またスタッフ/役者ともに共有できない部分が多いからです。何故ならば、前述したとおり、
物語の捉え方、感じ方は人それぞれ異なるからです。


そこで私が舞台演出をする場合は、時間をかけてその役、その役の私のイメージ、テーマなどを話していきます。
そこで、全てとは行かないまでも役者さんと情報を共有します。
その後、役者さん同士で’役’同士の関係性を詰めていってもらうわけです。

この作業をしないと、


偽典:もなから文書-交信
宇宙と交信してみたり、

偽典:もなから文書-うーとらま
怪獣ごっこになってしまう可能性があったりします。


冗談はさておいて、
人間の脳の中身、今までの経験はそれぞれ違うものですので、
同じテーマに向かった場合の役者間、スタッフ間の差異を埋めていくことが最初の作業だと考えています。

「当然そうでしょ?」
と思っていることが実はそうでなかったり、周りがしらなければ、何もなりませんし、
思い込みほど怖いものはありません。

この作業は公演全体の設計図づくりのようなもので、この作業に時間をかければかけるほど、(無論焦燥感は出てきますが・・・)良い作品が作れると考えています。