2024年5月24日マチネのみ公演回を観劇。

まだまだ先だと思っていた、寒い頃。大好きな、飯野めぐみさんのブログで、ご出演されると、ご報告があったのは1月。





さらに、朝ミュージカル東京で神役!わー!!となっていた、小林遼介さんのブログにも。





他にも、気になるキャストさんが数人出演される。飯野めぐみさんと同じく、純国産ミュージカル『H12 』 2016年の再演からご縁あった、ゴリさんこと加藤潤一さんと舩山智香子さん。


川口竜也さんは、ミュージカル座さんの名作の数々そしてミュージカル『生きる』『手紙』さらにはコロナ禍に生まれた、配信リモート生ミュージカルの劇的茶屋でも感動いただいております。


小林遼介さんは、先日朝ミュージカル東京の神役で、至近距離での生声での歌と生ダンスに大興奮したばかりで。


周作役海宝直人さんは、地元の大スター。千葉県市川市ご出身ですが、市内に住み市内で働く私。事務に、海宝センパイと呼ぶ中学の後輩さんがいます。


「海宝センパイ、素敵だったよ!」


と、報告しました!!


観劇日はキャストさん選択ではなく、行かれる日に行くしかないので、ご縁あってよかったです。



本当に、楽しみで楽しみで、あろうことかフライングしてしまいました。以下の画像は、実は17日に撮影しました…。







キャストさん随分違っていました、ややこしくてすみません。


24日の、実際に拝見できた配役画像はこちらです↓




お給料日だったので、クリアファイル買えました笑


24日のチケットなのに、間違えて17日に押しかけ、運良く?もぎりさんを通過。座席に座って、オペグラのピントチェック中に、スタッフの方に声を掛けられ。


同じ座席の方がいるのでチケットを確認したいと言われました。私の日にち間違いがここでやっと発覚。開演3分前くらい。


ご迷惑をお掛けいたしました。気が動転して、お相手の方にお詫びもできずに退場となりました。本当に申し訳ありませんでした。この場を借りて、心よりお詫びいたします。届かないかもしれませんが、他に手段が。


公式サイトの感想フォームからも、スタッフさんへのお詫びをさせていただきましたが。



半券は、スタッフさんが探して押印し、セロテープで復旧してくださいました。


スタッフの皆様にも、大変お手数とご迷惑をお掛けして、改めてお詫び申し上げます。


「逆じゃなくてよかった!」


話した人全員に言われました。本当によかった。日時と会場チェック、今後は前日に、念入りにいたします。


スタッフさんは、こんなトラブルにも慣れっこなのか?!キビキビと対応してくださいました。日々お疲れ様です。



この公演は、東京千穐楽を終えました。これから、地方公演が始まり、ゴールは物語の舞台でもある、広島県の呉。


呉の方、きっと待ってますね!!


ですので、ネタバレ含む感想は、この後大きく行間を空けてから始めます。


ネタバレ回避の方は、観劇後にまたよろしければいらしてください。以下、感想となります↓

















(↓ネタバレあり⚠️)


ここより観劇記録を兼ねた感想です。


アンジェラ・アキさんの音楽は、配信開始から繰り返し聴いていたためか、耳慣れた音楽が生オケ生歌唱さらには美術照明相まって、


すずから、キャストさん全員が次々現れて、すっかり聴き慣れたはずの、♪この世界のあちこちに の楽曲に、声が重なっていくプロローグで、ここから始まるドラマを思い浮かべて、もう涙です。


そして、すずの手帳を摸した舞台美術。すずの描いた絵が次々現れる仕掛けにも泣かされ。


パンフレットを読むと、舞台美術の二村周作さんが、上質な現代の紙と違う、ザラザラとした質感もイメージできるようにと、拘った映像。


そして周作さんというお名前にもグッときたりしました。まさにご縁ですね!


でも、八百屋舞台の傾斜すごいですね。そしてよく動く。私は、くも膜下出血の後遺症で左半身に軽い麻痺があり、驚くほど少しの路面の傾斜で、ステーン!!と綺麗に転んだことがあり。


傾斜の上を動き回るだけでも下肢筋力が鍛えられるというか、お疲れになるでしょう!!


本当に、いいめぐさんのブログの通り、過酷なステージングを難なくこなすさすがはプロフェッショナルな皆さん。そこに、まず感動。


原作者の、こうの史代さんの、すずさんの絵の描写大好きなので、その絵がすずさんの手で描かれている表現が、本当に素敵だった。


またパンフレットの、こうのさんのコメントにも感動しました。漫画作品が自分の子なら、ミュージカルは孫。孫に祖母が注文をつけてはいけない。ただ楽しみなだけという内容。


もうすぐ祖母になるかもしれない私、胸に刻みました。


『夕凪の街 桜の国』の演劇も拝見したのですが、演劇から入り、原作読んだ勢です。



こちらもまた観たい!!舞台ももちろんとても感動したのですが。


戦後生まれでも戦争の実体験を持つ祖父母や両親がいる年代の、ほぼ同年代こうのさんの感じ方に強く共感していて、今回の、『この世界の片隅に』のミュージカル化には大感激。


やはり、生歌生オーケストラで奏でられる大迫力の音楽が、強く心を揺さぶります。


皆さんの魂が込められて、命削って創作され、演じていらっしゃると、ビンビン感じるカンパニーの皆様。


さらに、大好きなアンジェラ・アキさんがミュージカル音楽を初めて担当する、初の純国産ミュージカル作品。


楽しみ過ぎでした。


マンガや映像も、沢山の人の目に触れるという、とても良い面がある一方で、


舞台は、やはり目の前で生身の、等身大の人間たちが、こんなにも辛い事を乗り越えながらも、笑顔で弱きものを助け、支え合って必死に生きていたのだと、


生の人間の熱量を、汗や涙を、演者さんの心と肉体を通して、直接伝えてくださいます。


こんな幼い子が。年老いた親が、祖父母が。みんな燃えてしまうなんて!!



呉の空襲のシーンでは、♪焼き尽くすまで の楽曲と、真っ赤な照明が日生劇場の天井まで染めて、2階席だったのでかえって大迫力で。


当時の呉の人々は、どんなにか熱くて、夜の闇に響き渡る爆音や、燃え盛る炎の明るさが怖かっただろうかと思い、やはり泣けた場面です。


配信を聴いただけで、自宅でもう泣いた曲でした。怖くて、悲し過ぎました。


すずと周作の結婚式では、みんな笑顔で楽しく踊って歌っていた。すずの実家の、江波のご家族や親戚の、明るい方々。


いいめぐさん演じる、あの逞しく明るい、竹を割ったような伯母様。酔ってゴキゲンだった、すずのお父さん十郎を、嗜めながらも微笑んで。


川口竜也さんの酔いっぷり、さすがです!


戻らないお母さんをあてもなく探して、辛かったでしょう。どんな最期だったのかと、劇中にしばし思いを馳せました。


原爆が落ちて、江波の人たちは、もれなくいなくなるか深く傷つくかしてしまったはずで。


でもそのシーンはなく、原爆症で寝たきりになった、すずの妹すみの話から想像するだけなのですが。


すずが大怪我を負った時、飛んできて励ましてくれた、心優しい姉思いの妹の、変わり果てた姿。


このシーンも思い出しては、泣けてしまいます。



防空壕に避難するため、荷造りしながら若い頃被っていた帽子を見つけ、今はなき若き夫と、その帽子を被った若き径子が踊るシーン。


もう泣けて泣けて、またシルエットで踊る、♪モガとモボ の曲と、若々しくダンサーさながらの径子と夫の黒村さん。


本当に大恋愛してたんだなとわかる表現力、素晴らしい!このダンサーさんたちが気になりながらも泣けました。


径子役 音月桂さん。歌が心の深くまで刺さって、泣けました。♪自由の色 大好きな1曲となりました。


後日、判明。やはり!!と嬉しくなりました。パンフレットよく見たら、ちゃんと書いてあったというオチもありますが、最高に好きなシーンです。




すず役昆夏美さん、周作役海宝直人さん。片隅ワールドにグッと引き込んでいただきました。ありがとうございました涙


無口な周作が、色々一生懸命に考えて行動する姿は、尊かった。


キラキラなイメージの、地元千葉が生んだ大スター海宝さんの、いつになく控えめな表現が、かえってグッときました。


まさにこの2人は、家族になるべき運命の2人でした。そう信じられました。


この広い世界の片隅で、しっかりと結ばれた2人。沢山の人を幸せにすることができる、かけがえのない2人と思いました。


一隅を照らす、灯火に他なりません。



周作とすずの、幼い頃のエピソード。


すずの幼少期役で嶋瀬晴さんと、周作の幼少期役小林諒音さん。かわいかった!!ばけものは、もしや鬼いちゃん役加藤さん?!怖かったですね笑


盆を使った、籠の中の表現。とても楽しかった。


鬼いちゃんと言えば、ラストのソロ最高でした!鬼いちゃんが、もし末っ子長男なら。やんちゃで目が離せない、いたずらっぽい笑顔がかわいい、お姉ちゃんたちのアイドルだったはず。


そんな、鬼いちゃんではなく、戦時下でなければただのお兄ちゃんの、無邪気さも伝わるソロでした。


この時代、特に恋愛と結婚はイコールでなかったと思うのです。


周作はリン(桜井玲香さん)と、すずは水原(小野塚勇人さん)は、無自覚かもしれないけど、きっと恋愛関係で。


好きなのに忘れなくてはと思ったり、でも諦めきれないと思ったりという葛藤が痛いほど伝わりました。


リンも水原も、辛かったですね。若く美しく凛々しい2人から、漂う切なさ。胸を打ちました。


お互いが、結婚相手となり家族になるには、色々な事情を思い、不可能と知っていながら。


でも、好きな気持ちはどうしようもない。周作は、そんなすずの気持ちをよく理解している風なのが、ちょっと悔しいようなよかったような。



20年以上前に勤務していた整形外科で、患者のおばあさんに、見合い結婚で、結婚式当日に初めて、お相手の顔をちゃんと見たという話を聞いた事があります。


親同士が子供の伴侶を決めるのが、当たり前の時代。そして、生まれた子供の名前も祖父母が決める。


径子が、夫が死んで息子は嫁ぎ先に奪われたと歌いますが、きっとこんな事が当たり前で、珍しくも何ともない時代だった。


「こんな事が当たり前?!」となりますが。現代日本ではあり得ない!


女性に、訴訟を起こす力もなく、選挙権さえない時代です。


腹が立つやら悲しいやらです。自由恋愛で結ばれた径子に降りかかった、時代という名の避けられぬ大きな火の粉。


さすがの径子でも、振り払うことはできなかった。


初ミュージカル出演7歳にして芸歴7年の鞆琉那さん。原作のイメージにピッタリの黒村径子ママに、晴美として見るとお顔立ちが似ていて、すごいリアリティを感じました。歌が上手!!


初ミュージカル出演おめでとうございます。成長される鞆さんを、楽しみに見守ります。


同じく年少時代のすず役 嶋瀬晴さんの成長も楽しみ!お2人の、初ミュージカル出演の舞台を観れてとても嬉しいです。長生きして、自慢します!!



漫画ではなく、リアルに幼い女の子が目の前に現れ、この子が爆弾の餌食に?!と、恐ろしくなりました。


東京大空襲の本で、連合軍は、日本の未来までを消してしまうべく、兵士が不在で、女子供と年寄りしかいない事を承知で、攻撃したと書いてあったのを読みました。


これが戦争。恐ろしいと思う事の、想像を遥かに上回る!!


そしてこの時に、晴美と繋いでいたすずの右手も失われてしまうのですが。


ラスト近くで、晴美役の子役さん(多分)が、浮浪児の二役となり登場し、すずから離れなくなる。


このエピソードがあまりにも原作は悲惨で、映画でも絵は可愛らしいのに、目を覆いたくなるほど。


全身にガラスが刺さり、右手を失った母親が女の子と並んで座っていたけど、絶命し倒れてしまう。


それでも女の子は、なくなった母親に寄り添って。でも、遺体に虫が大量にたかり、仕方なく離れていく。


浮浪児となり、お腹を空かせてあてもなく歩いているところを、すずから食糧を与えられて。


幼いその子は、食べ物をくれた右手のないすずを、母親と思い込み離れなくなった。


ここまでは、アニメ版の映画を思い出しながらの脳内補完です。


ミュージカル版のラストシーンは。


すずと周作は、その子を連れ帰る決意をして、周作がその子を、観客席に背を向け背負って歩く。


周作と並んで歩くすずの肩に、少女が手を伸ばし触れて。号泣。綴りながらも泣いてしまいます…。


そして、♪この世界のあちこちに を、キャスト全員が次々にと現れて、声を重ね、歌い上げるラストに大感動いたしました。


舞台は、最後になくなった役のキャストさんも全員カーテンコールに出られて、微笑んで挨拶してくださいます。


この事で、フィクションなのだと我に返り、ほっとして帰ることができるから、ありがたい!!



2階席の最後列でしたので、何も気にせずスタオベ。八百屋舞台で、昭和20年を生き抜いたキャストの皆さんや、素晴らしい楽曲を届けて下さったオーケストラの皆さん他全てのスタッフさんに感謝と賞賛の拍手!!


2階席には、沢山の高校生らしき学生さんがマナー良く観劇されていましたが、皆さん立ち上がって拍手を送っていました。感動。


どの楽曲も好きなのですが、1番脳内で流れているのは、♪記憶の器 てす。私も、記憶の器として、生きられる限り生きよう。人に伝えなくてもいい、自分だけが大切に持ち続けていたい、記憶。


器の手入れを怠らず。脳トレ頑張ります。認知症にならないように。

 

最後となりましたが、


この物語の中の癒しの隣組の皆さん!最高でした!!


堂本(家塚敦子さん)、刈谷(鈴木結加里さん)、知多(舩山智香子さん)。


家塚さん、鈴木さん初めましてでした!ご縁が嬉しいです。フォロー失礼いたします。


女性はやはり太陽でなくてはいけない。どんな局面でも、隣組を思い出します。


♪隣組マーチ 最高のトリオ!きっと、年代が近いはずですが、昔は結婚早いでしょうから一回りは歳が下かもしれません。でも、貫禄は負けてます。


最高のハーモニー!!安定感が半端ない!!!ご登場が楽しみでした!


あんなに笑わせてもらった、刈谷さんの息子さんは。


被爆して、顔も、きっと喉も火傷で服もボロボロになり、やっとの思いで故郷に辿り着き、息絶えた。


息子が、25歳です。悲し過ぎるシーン。しかも、すれ違ったかもしれなくて、息子と思わずに「気の毒に」なんて言ってたとしたら。


翌日、思い出しながらも通勤途中で涙が出ました。こんな悲しく辛い人たちが沢山いたなんて。珍しくも何ともないなんて。怖すぎる。


戦争は嫌だ。平和を守ろう。息子を戦場に決して送りはしない。


そんな事をぐるぐると考えながら、日々過ごしています。悲劇と喜劇が、ぐるぐる。人生って。悲劇から喜劇に、また喜劇が悲劇に急転換するものです。




ミュージカル『この世界の片隅に』、毎年上演していただき、修学旅行や、校外視聴覚教室などに活用されませんか。


若い人こそ、観なくてはいけない。若い人が、平和や戦争を学ぶ教材として、最適で秀逸です。


是非とも現代の平和教育に取り入れてほしい、戦争を題材とした、私的ベスト3の舞台になりました。


他2つは、ミュージカル座さんの、ミュージカル『ひめゆり』。


演劇では、今井雅之さんの作品『WINDS OF GOD』(以下ウインズ)です。


21歳で、ウインズの虜となって、今井さんがなくなり、私は記憶の器となりました。


でも、この器から再び世に出てほしい。そしてミュージカル化されたらいいのにと、ずっと思い続けています。


去る5月28日は、忘れられない、今井雅之さんの祥月命日でした。


今井さんが、「息子」と読んでいた戯曲『WINDS OF GOD』。


パンフレットの、こうの史代さんのコメントに習い、ミュージカル化は今井さんの孫の誕生となる?!


楽しみに、もうしばらくは記憶の器として生きます。


赤の他人の、いちファンのおはあちゃんではありますが!!




読み応えのある、素敵な書き下ろしすずさんが表紙のパンフレット。


大切にします。


今も、アンジェラさんの楽曲を聴いています。また来年も、すずさんと、呉と江波の皆様にお会いできたら嬉しく思います。


以下は、自分のブログのリンクです。これを読めということではなく、自分の記録用です。記憶の器用に。




2020年7月、くも膜下出血発症し、同年12月まで入院しました。


その、急性期をやっと脱した頃に、まだ個室だったのですが、『この世界の片隅に』のアニメ版を観ました。


いくら脳卒中と言っても、戦時下に生まれた過酷さを思えば、まだ幸せだと思いました。


すずさんたちにパワーもらって、綺麗な病院で、爆弾に怯える事なく、リハビリできる幸せを感じました。


もし私が戦時下で、脳卒中を起こして倒れたら、家族でさえも放置するしかなかったと思うのです。身を守る事で誰もがいっぱいいっぱい。


戦争中になくなった、大勢いらしたであろう脳卒中患者の皆様や、自分の力で逃げる事叶わずなくなられた重症患者さんに、合掌。




長々とすみません。感動沢山いただきました。


ありがとうございました。呉まで全員完走、お祈りしております。