2024年4月7日日曜日、11時開演の月組公演千穐楽にお邪魔しました。


朝からよく晴れて暖かく、まるで沖縄にいるようです。最高気温は、東京都心で22.6℃。




シアター1010にて。北千住駅徒歩0分、マルイの上にある劇場です。千葉北西部住みなので、家から近い劇場。ありがたかったです。

今年は、なんと30周年かつ、コロナ禍を経て、3年ぶりのフルバージョン公演だそうです。


その記念すべき公演に、ついに夫が初参戦。私が、毎年大感動して帰宅するので、1度観てみたいと昨年言われました。


「わかった!撤回なしね!!」


今回は、夫招待です。いつもお世話になっているので。


夫の職場は北千住の近くで馴染みもあり、何より自宅からそう遠くない劇場で、抵抗がなかったようで、助かりました。北千住にしていただいて、ありがとうございました!!


天気も上々で、機嫌良く2人で出発。



観劇ブログを始めたのは、2021年から。くも膜下出血を発症しコイル塞栓術を受け、4ヶ月半の入院。九死に一生を得て、今の私がいます。


ちょっと大袈裟なようにも思うかもしれません。でも、夫がいなければ私はここにきっといない。


千の風になっているか、重い後遺症を抱えて、恐らく1人での観劇は困難です。


くも膜下出血は、1/3は死亡、1/3は命は助かっても後遺症残存、1/3は元に戻れるという、大まかな統計は有名ですが、


元に戻りきれないけど何とか復職し、色々自立できているので、私は元に戻れた1/3になるのでしょう。



入院中も、戦時下なら放置されただろうなとか、流動食が発達したのは戦後なので、仮に助けてもらえても嚥下機能の麻痺があったため、遅かれ早かれ助からなかっただろうとか、考えました。


現代の日本で入院できたことに感謝しました。


もし、観劇できるまでに回復したら、


一つの舞台をもっと丁寧に観て、必ず記録して感想を主宰さんに届けなければと思いました。


倒れたのは2020年7月で、コロナ禍初年度。得体の知れないウイルスを恐れ、いくつも公演が中止になっていました。


チケットを買った公演が中止になったり、結構観劇の間が空いて、倒れる前、最後に見た作品がもうわからなくなっていました。


こんな失礼で残念な事はないと、病院のベッドの上で反省したのです。



以前は、旧Twitterで感想を呟き、公式さんに感動をお届けするに止まっていました。


あれもこれも、ちゃんと感動を残したかった。心から思う作品が沢山あったのに。


ですから、この観劇記録は終活とも言えるのです。



話が逸れました!


ミュージカル『ひめゆり』(以下『ひめゆり 』)は、元々推していた井坂茜さんを追ってのご縁でしたが、平和を願うハマナカトオルさん率いるミュージカル座さんとのご縁は本当に貴重だと思い、井坂さんがはる役を卒業されても観に行くと決意。


でも、今年は井坂はるちゃんにまた会えました!!生きていると、こんな嬉しいサプライズがあるものです。今後も、生きます。



観劇記録も綴ってきました。2022年は、観劇後の悲しい気持ちを、生まれ変わり妄想で乗り越えた記録となっていますダウン




また2023年は、2つの作品に描かれていた、過去の、沖縄戦を含む世界規模の地獄と、世界中にあるであろう、現代の小さな地獄を、観劇後に考察しましたダウン



もう、自己満足99%ですので、リンクを開いて読んでくれということではなく、自分の記録としてのリンクです。




今年は、井坂はるちゃんのモデルと伺った、本村つるさんについて、思うところあり感想と共に記録します。


井坂さんに感謝。お若い井坂さんに、沢山の大切な学びをいただいています。


キャストの皆様お一人ずつ賞賛送りたいですが、そちらはXを使います!


今回初めて感じた、感動や悲しみを上回る、ムカムカとした怒り。何故かと検証してみました。



自分も年を重ねて、檜山さんや滝軍曹にも優しいお母様がいて、それぞれのご家族に対する思いが刺さるように伝わりました。  


滝軍曹のお母様は、もしかしたら滝さんの目の前でなくなったのかもしれない。


それか、空襲で滝さんを庇って…。


鬼軍曹滝を演じた、阿部よしつぐ さんの、想定された滝家の事情をもっと聞いてみたいです。


過去動画のリンクです。ミュージカル座さんの『わだつみのこえ』。阿部さんの笑顔の爽やかさに、悲しみと怒りでいっぱいの心が癒されます!






岡教頭先生や、また学徒の祖父母まで、心情を考えました。


老親の介護をするようになったからかもしれません。


元気な若者のみならず、お年寄りや赤ちゃんまでも犠牲にして、それが本土決戦を1日でも引き延ばしたいという捨て石作戦だったなんて。


本土生まれの人間として恥ずかしく、そして、今までちゃんと知ろうとしてこなかったことも恥ずかしい。


観劇中の怒りは、自分自身の無知に対して感じたのかもしれません。




元ひめゆり 学徒の本村つるさんは、昨年2023年4月7日に、97歳でおなくなりになりました。


本村さんの祥月命日が、今年の公演の千穐楽に重なると気づき、出演を決意したと、推しの井坂茜さんがおっしゃっていました。パンフレットにも、本村さんのことが書いてありました。


キャストの皆さんは、それぞれの役に実在の、似た境遇の方がいらして、


自分自身で資料を集めたり手記を読んだり、深く学習して、お稽古に臨まれています。



昨年10月、姪の結婚式で沖縄へ。夫と子供2人も一緒で、2泊3日の、10数年ぶりの家族旅行をしました。


慰霊碑やひめゆり資料館を参拝に回りたかったですが、行程的に叶わず。慰霊の旅を、必ずリベンジしたいと誓いました。


誓いを記した記事。必ずや。



本村さんをはじめ、生き残りの学徒さん皆さんや沖縄の皆さんの、命の資料館へ。


本村さんは、出征時19歳と言うことでしたが、教師を目指して勉強されていて、その中でも特に努力家で成績も良く、


その本村さんが生き残り、資料館の立ち上げに尽力されて長年館長を務められて。生きて悲劇を語り継ぐために、選ばれたと思ってしまいます。


捨て石作戦に組み込まれた事をもちろん勉強されていて、どんなに辛い思いをされたか。


生理が止まったと、他の方の手記で読んだ気がします。身体が極限状態になると、栄養を逃さないようにするとか。  


お風呂は無理でも、トイレは。行かないわけにはいかない。もちろんないでしょうから、茂みに隠れて…と想像します。


うら若き乙女たちは、どんな気持ちて数ヶ月過ごしていたのかと思うだけで、泣けてきます。


本村さんは、1925年6月11日生まれ。沖縄戦の、日本軍による解散命令が出たのは6月18日。


娘の、華やかな成人式の振袖姿を撮影したのが、つい昨日のようです。


本村さんは、砲弾飛び交うジャングルのガマの中で、20歳となられた。誕生日どころではなかったでしょう。


ご両親が、お祝いしたくてもできず、娘がどんな目に遭っているかも知らず。


まだ学徒さんや若き兵士たちの、色々な想いを想像しては涙しています。


本村さんがご逝去から丸1年。一通り、会いたかったご友人と天国で会えて、積もるお話をし終わった頃でしょうか。


本村さんの、ご生涯。何と不幸で悲しくて尊い人生だったか。


舞台の上の、生き残った井坂はるちゃんは、生きて家に戻れるのに、何だか悲しげな笑顔でカーテンコールに並ばれていました。


友を志願させ死なせてしまったという思い。誘った自分は生き残り、鼓舞してきた友達はほぼなくなった。


後悔しても仕切れない。そんな思いを、20歳の本村さんは全て飲み込んで、平和教育と資料館運営に人生を捧げた。


97歳の天寿を全うされた本村さんの人生を思うと、井坂はるちゃんの表情に納得して、涙です。


あの命拾いした日から、本村さんの、自分だけ助かってしまい苦しい戦後が始まる。その間77年。



生き残った人が、沢山のなくなった人を思い、喜べないどころか申し訳なく思う感覚。


有事のない現代ではなかなかわかる感覚ではないし、できるならわからないまま生涯を終えたい。


広島長崎や、東京大空襲の時も、助けてとすがられても自分や家族を守るだけで、誰もが精一杯で。


沢山のご遺体を踏んで走って逃げたと、母の友人は泣きながら私に話してくださいました。人を踏んだ足の裏の感覚が、今でも忘れられないそうです。


東京大空襲を、祖母や母は体験しています。



パンフレット拝読しますと、ハマナカトオルさんのコメントにも怒りという文字がいくつも。ハマナカさんより少し遅めの戦後生まれで、私が子供の時の大人は戦中派がまだ多数派の時代。



悪いとわかって、なぜ人は戦争をするのか。平和を守るための教育は、どこで受けられるのか?


沖縄へ修学旅行に行かれる学生さんは、必ずこのミュージカルを観て欲しいと思います。少なくとも、都内の高校中学の学生さんには届いてほしい。教育関係者の方々に届きますように。


来年は、25歳の息子を誘いました。行かないとは言わなかった。都合合えばね、と返されました。


娘は高校の修学旅行の前に。今年は夫。これで、家族全員です。


実現します!



ひめゆりカンパニーの皆様、今年も感動ありがとうございました。まずはゆっくりお休みください。


来年もよろしくお願いいたします!!



北千住に詳しい夫が、観劇後こちらで最中アイスを買ってくれて、歩きながら食べました。


終演後は日陰を探すほど暑くて、美味しかった!


夫の感想は、


「すごいな!本気のやつだ」

「長かった、退屈したわけじゃないけど。」

「あんまり感動したりしないけど、今回はしたなあ。」


すみません、精一杯褒めてます!!!



学徒さんに食べさせたかったと思いました。