2022年10月9日。新宿御苑前シアターサンモールスタジオにてマチネ観劇。
前楽という、いわゆる完成度が1番高いと言われる回ですが、狙ったわけではなくここしかタイミングか合わず。
小劇場演劇は、公演期間が短いので、合わないときは本当に合わない。そういう場合は、次のご縁を楽しみに見送ります…。
合うということは、観に行って来なさいという天の声と信じて馳せ参じます。
今日の前楽、本当に素晴らしかったです!!
『一隅を照らす、これ即ち国宝なり』
とは、天台宗の開祖 最澄の言葉だそうです。
国宝に値する作品と認識しました。国宝に触れることができて、ありがたく幸せです!!
私は、結婚するとき、母親に「家庭の一隅を照らす灯となりなさい」と言われました。
実母は浅草生まれの、おせっかいながら明るい人で、母のようになれば良いのかと思っていました。
でも、もっともっと深い意味があるのだと今感じています。
朝枝さんが、「片隅」とタイトルに書かれたのは即座に「一隅」と脳内で変換されました。
その物語を、楽しみにお待ちしていましたがコロナ禍で中止となり、さぞかし肩を落とされたと思います。
10ヶ月の時を経て、満席の前楽公演。我が事のように嬉しく思いました。夢は叶う。その思い強ければ!!
私はリスプロさんの、味わい深いチケットが大好きです。
昭和時代から小劇場通いだったので、やはり紙チケットは大好物で、未だに捨てられない思い出のチケットたち。
DMも、ハガキや封書でフライヤーをいただき、DM先行の用紙でファックスしたり電話してチケットを取った時代。
リスプロさんは、主宰の松本匠さんがずっと出演されていた、今井雅之さん率いるエルカンパニーからのご縁で、繋がらせていただいたのですが。
今日は、開場時間に入り口に立たれていらした松本さんと、少し今井さんのお話ができて嬉しかったです!
今井さんがおなくなりになって、辛くて劇場に行くことができなかった、空白の1年がありました。
色々あって、また観劇人生再スタートしましたが、演劇断ちしていた1年の間、私は感動から遠ざかっていました。
その寂しさやつまらなさ。もう覚えていません。今は、演劇のお陰で元気いただき、応援したり応援されたり、本当に持ちつ持たれつ生きています。ありがとうございます!皆様には感謝でいっぱい。
劇場に行けば、今井さんの演劇魂がちゃんと伝わり生きていることを感じます。何故私は遠ざけていたのか。バカバカ!と自分を叱っています。
演劇に関わるキャストスタッフの皆さん、本当にコロナ禍の折、しんどい思いを買ってまでして、感動届けてくださって、本当にありがとうございます!!
もう、M0の音楽と照明の力で、これから始まるドラマを思い、胸が熱くなりました。
感動しつつも色々な事を思い出し、帰りの電車でも涙が出ました。
交通事故に遭い大怪我をして、その入院で血液ガンも見つかり、離婚して家族とも離れ、苦しんだ末昨年とうとう天に召された2つ違いの弟のことも思い出しました。今月が1周忌。
演劇が大好きな弟でした。
人って、急にいなくなる。
だから、生きている間は仲良くしよう。優しくしよう。
そうは思っても、これが結構難しい。
わかっていても、出来ないことが沢山あります。例えば。
良い事をして、悪い事はしない。
良い事とは。悪い事とは。誰しもわかっていても、良い行いがなかなかできず、悪いと知っていてもやってしまう。
そういう事なのだと思います。知るは易し、行うは難し。
自分も一昨年の夏にくも膜下出血て倒れ、死なずに済みましたが、社会復帰できるかどうか。ましてや1人で歩いて観劇できるようになれるか、わからなかった。
それが、今日のように演劇を再び楽しめるようになれたのは、奇跡。私だけの努力では、決してなし得なかった。
リボーンしてから、出逢えた人や作品が、愛おしくて仕方ないのです。
もしかしたら、出逢えなかったかもしれなかったから。
感想に戻ります!
大切な末妹の歩美(高橋明日香さん)守るため、我慢を重ねてついに人を殺め勾留される、やんちゃ系の兄で次男 拓也も、シゲさんの当てがきのように、鈴木健斗さんとても好演されました。
素直になってお兄ちゃんに甘えるラストシーンには、本当に泣けました。
ブルーカラーの弟と対照的な、エリートコースを順風満帆に進んでいた長兄 春樹(横関健悟さん)。今気付きましたが、お2人ともお名前に健の字が。
前世が、もしかして兄弟だったかも!?と思うほどの血縁を感じました。
Mcompanyさんの作品で拝見した横関さんのやんちゃぶり凄すぎて、最初は「真面目?!」と思いましたがすぐ切り替わりました。本当に役者さん凄いと、心から思います…。素晴らしい主演俳優さんでした!!
真太役(奥村知史さん)リアリティ凄い!パパ感出まくり、もちろん独身なのでしょうけど、うちで待ってるかわいいお穣さんと遊ぶ姿が浮かびました。
そして、楽しみにしていた飯泉博道さん演じる雅也。あの笑顔パワー凄いのですが、彼は笑顔の表現力がものすごい。何パターンあるのか?!
怖い笑顔、悲しい笑顔、こちらまで笑顔になる心からの笑顔。もう、天才!!
コロナ禍の折、動画をお仲間と沢山作られていて、映画『メランコリック』のご縁で拝見してから、応援しておりました。
撮影協力他誘導などもされていた、吉川柳太さんもすごい才能の持ち主で、エンタメの申し子と思います。
お気に入り動画を1つ、リンク貼ります。他にも沢山ありますが!苦渋の選択です。
また、飯泉さん吉川さんお2人の、Twitter アカウントももちろんフォローさせていただいています。長生きするのが楽しみになります!!
https://twitter.com/sainomefilms?s=21&t=7ROD0FuA4pvkyxySwDxdYQ
生飯泉さん観れてよかった!念願叶いました。大注目の役者さんです。
吉川さんも、考えてみたら初対面なのに、手を引いていただいたりなんか自然に頼ってしまった。
夫に話したら、「介護してもらったね」と笑われましたが。
前世で、親戚だったかもしれません…もう、応援せずにはいられない、お2人とも素晴らしい才能と人柄。
気持ち悪いハマり方ですが、可能でしたら、今後は親戚のオバチャンくらいに思ってください笑
甥が、34歳と31歳ですから。
かわいくて、闇を抱えながらも明るく生きる咲良役 石塚かえでさん。
新海家に、いい風穴を開けてくれそう!新たな家族が増えた続編が観たいと思いました。
最後に、シゲさん!齋賀正和さん。リスプロさん前作で凄い怖い役だったので、もう大ファンに!!シゲさん絶対すごいやんちゃな時代があり、沢山苦労して優しくなったんだろうなあと、思わずにいられません。
シゲさんがカワセミ店長になるまでのスピンオフがまた観たくなります!とても魅力的な人物で、心の師としようと決めました。
高齢者通所介護施設、通称デイサービスに勤務中です。高齢者さんたち、と一括りには決してできない、それぞれの歴史をお持ちです。
人間、こんなことにも耐えて生きていかれるのかと驚きます。特に、先の大戦を生き抜いてきた方々。
みんなが同じに苦労していた。高齢者さんは口々に言われるのです。すごい苦労している人ほど、それを口にしないと感じます。
でも、そういう方ほど優しいのです。
苦労は人を磨き、優しくする。私は心からそう信じているので、苦労に飛び込む演劇人の皆さんを心から応援します。
一昨年くも膜下出血で九死に一生を得たものの、後遺症として、左半身に、麻痺が少々残りました。
また、併発したワランベルグ症候群のため、ふらつきや目眩があり、バランス感覚が悪くなりました。
リハビリの時、どんなリハビリをしたいかとPTに尋ねられましたが、1人で観劇できるように手すりのない階段昇降の練習したいと言いました。
私は小劇場が好きなので、どうしても階段は避けられないし、薄暗いと視覚情報が減るためバランスがさらに悪くなります。
PTはリクエストに応えて、毎日階段昇降リハをしてくれました。やってよかったと、劇場に来るたびに思います。担当PTにも感謝、病院に足向けて眠れません!
でも、万が一転倒や再発などでご迷惑を掛けないようにと思いますので、無理のないスケジュールを立てて、これからもお邪魔します。
吉川さんに座席までの階段付き添っていただいたり、会場係のスタッフの方にエレベーターを案内していただいたり。
片隅を暖かく照らす灯が沢山。
帰宅する頃雨になり、夫が迎えに行こうかと連絡をくれました。もう私はバスに乗ってしまった後でしたが、帰る時間を見計らい、車でレストランへ。夕食をご馳走してくれました。
夫にも優しくされた!この優しさループが耐えないように。しっかり回して行こうと決意。
皆さんの幸せを祈りながら、一隅を照らして生きます。
本日は感動と学びと優しさを、ありがとうございました!!
追記:(2022.10.12)
朝枝さんから、無事に上演叶った御礼のDMをいただきました。恐らく、沢山の方に送っているものと思います。終演後もお疲れ様です!
返信不要とありましたが、こちらから。届きますように。
人は、1人では生きられない。それぞれが、片隅を灯すという気持ちで生きる事で、世の中が良くなると、特別な信仰を持たない(尋ねたわけではないのですが)人が気づくことが尊い。
これこそが、全ての人が仏性を持つという、証明に他ならないと思いました。
私は生家が法華経を信仰し、仏教系の幼稚園に中高一貫校に進学し、基本の仏教を学ばせていただく機会がありました。
方法は違えど、誰もが最澄。
歳を重ねて、仏教がどんどん好きになっています。皆様のお陰です。ありがとうございました!!