前回の記事で、息子のコミュニケーションに行き詰まりを感じてます、、、という趣旨のことを書きましたが、
読んでくださった方から「息子さんに『心の理論』の課題をやったことはありますか?」とご質問をいただきました。
「心の理論」・・・私、コレ初めて知りましたー!
教えてくださり感謝・感謝です。
とても参考になったので、(超・付け焼刃のにわか知識ですが)ご紹介させていただきますね。
『心の理論』
心の理論とは、他者の心を類推し、理解する能力である。特に発達心理学において、乳幼児を対象にさまざまな研究が行われるようになった。ヒトおよびヒト以外の動物が心の理論を持っているかどうかについては、誤信念課題によって調べられる。この課題で他者の信念についての質問に正答することができた場合に、心の理論を持っていると結論される。一般的に4歳後半から5歳の子どもはこれらの課題に通過することができる。自閉症患者では障害が認められる。
(※こちらのwikiページから引用しました)
文中にある「誤信念課題」というのもwikiページ内に出てくるので詳しくはお読みいただきたいのですが、
この中の「サリー・アン課題」というもの(おそらく初歩的な課題)を自分なりに少しアレンジして、早速息子に出してみました。
アレンジして良いのかわかりませんけどね
私:ママのお話を聞いて質問に答えてね。
太郎君と花子ちゃんの兄妹が家にいます。太郎君はチョコレートが大好きでおやつに食べようと思ったのですが、出かける用事があったので、一旦冷蔵庫にしまいました。
太郎君がでかけたあと、花子ちゃんが冷蔵庫を開けてチョコレートを見つけました。花子ちゃんもチョコレートが大好きなので、そのチョコレートを自分の部屋の机の引き出しに移しました。
さて、太郎君がお外から帰ってきました。チョコレートを食べようと思った太郎君は、まずどこを探しますか?
息子:冷蔵庫でしょ。
私:(おっ)正解!それで、チョコレートはあった?
息子:ない。花子ちゃんが移したから。
私:だよねー。ないよね。
息子は「で?何?」という顔をしていましたが、そのあと太郎君はどうしたんだろうね~なんて会話を続けながら、
ふーん、この課題はできるんだなということにちょっと驚き、またホッとしました。
※正確にやりたい方は、私の太郎・花子バージョンではなく、元々のサリー・アン課題でやられたほうが良いかと思います。
この課題、通常は4歳~5歳になると答えられるのだそうですが、自閉症のお子さんの場合は80%程度が間違える(上記の場合だと「机の引き出し」と答えてしまう)のだとか。
、、、なんかわかるなあ、と思いましたね。
自閉的な傾向のあるお子さんは、複眼的に、あるいは俯瞰的に、モノを見るのが苦手なのかもしれません。
太郎君の立場、花子ちゃんの立場、と視点を切り替えるのが難しい。
そのどちらでもない第三者的な視点から見るのもやはり難しい。
もしかすると、「逆さバイバイ」現象も根は同じかな?と思い当たりました。
常に「自分の側」から見たとおりにしか認識できない、と何かで読んだような。
うちの息子も「逆さバイバイ」はやってましたね。
写真をとるときの「ピース」もよく裏返ってたなー。
それとか「行ってきます&行ってらっしゃい」、「ただいま&お帰り」のように、立場によって言葉が変わる挨拶も苦手でした。よく間違えるんですよね。
「おはよう⇒おはよう」と同じ言葉を繰り返す挨拶に比べ、難易度がぐっと上がるのだと思います。
息子は「自閉症」という診断を受けてはいないのですが、、、
ただ親としては、こういう誤信念課題のような問題は苦手だろうという感触はあります。正直。
では、なぜこの課題をできたんだろう?と考えてみました。
たまたまかもしれないし、自然にできただけなのかもしれませんが、、、
ひとつ思い当たることがあるとすれば、これまでやってきた療育とか家庭学習の中でも、特に「思考力」を鍛える系の問題が、こうした力(立場を切り替えてみたり、俯瞰してみたり)を知らず知らずにつけたのかな?という気はします。
例えばベネッセの「思考力ぐんぐんワーク」に出てくるこんな問題とか↓
こういう問題とか

話を聞いて内容に関する質問に答えるという点でいうと、このワークが気に入って今も取り組んでいます。
ちなみに息子は、聞いたり読んだりしたことは、情報量がそこそこ多くてもきちんと記憶して質問に答えられます。
ただ、文章に書いていないことを想像したり、気配を察したり、というのは非常に苦手です。
この辺りはいずれ別記事にしたいと思っておりますが。。。
話を「心の理論」に戻しますね。


