前回の記事でABAのエージェンシーとファミリーミーティングを行ったと書きましたが、今回はその内容を記録しておきます。
ミーティングはこちらからの質問に答えていただく形で進みました。
●癇癪について
親:息子は、おもちゃ売り場(特にトミカやプラレールの売り場)に行き、なにも買わずに帰ろうとすると癇癪を起こす傾向がある。この場合、そもそもおもちゃ売り場に近づかないようにするべきか(=癇癪を起こしやすい状況を避けるべきか)、それとも癇癪を起こす状況をあえてつくって消去に取り組むべきか?
エージェンシー(以下"A"):その状態での癇癪は一般の子どもでも起こすことがあると思うが、どうして問題行動だと思うのか?
親:以前から同じような状況で泣くことはあったが、数分もすれば気分が切り替わっていた。最近は程度が激しくなり、親を叩いたり地面に寝転んだり、数十分も大声で泣き叫ぶようになったので、問題行動だと認識するようになった。
A:同じようなケース(買う予定ではないのにおもちゃ売り場に行く)で、過去におもちゃを買い与えたことはあったか?
親:過去にはあったと思う。今日は買ってもいいよ、今日は買わないよ、ということを説明するようになったのはここ数カ月。それ以前は何も言わずに行き、買ってあげたことはあった。
A:だとすると、息子にとって、おもちゃ売り場に行くのはラスベガスと同じ状態。過去に買ってもらった経験があるゆえに、「買わないと言っているけど粘れば買ってもらえるかもしれない」と思っている。時々買ってくれる、時々買ってもらえない、これは博打と一緒なので一番興奮する。
癇癪を消去すると、一時的にバースト(=癇癪が強まる)が起こる可能性がある。日常的に、頻繁に癇癪を起こしているのならバーストを起こしても消去することのメリットが大きいが、おもちゃ売り場に行くというのはそれほど日常的な事ではないだろう。だとすると、今、あえておもちゃ売り場に行って癇癪を起こさせ、バーストを乗り越えて消去する、とういことのメリットは少ない。おもちゃを買う時以外は近づかないほうが良いだろう。
●偏食について
親:偏食の克服には取り組むべきか?
A:今食べられているものは?
親:炭水化物(白米、パン、ラーメン)、果物、乳製品、フライドポテト、チキンナゲット。鮭やシラスはごはんに混ぜれば食べる。肉と野菜はほとんど食べない。
A:体の発育は?
親:体格は良いほうで問題ないと思う。運動面でも特に問題ない。病気もしない。
A:排泄は?
親:ほぼ問題なし。
A:現段階では特に問題ないだろう。今後食べる品目が減るようならその時は考えよう。
ただし、親や周りの人と同じものをお皿に盛り、息子の前にも並べること。本人が食べてみようかなという意欲を持ったら、すぐ手を伸ばせるようにする。どうせ食べないからと息子だけ品目を減らすことはしないほうが良い(→やってました)
●「抱っこ」要求
親:最近は息子はすぐ「抱っこ」をせがんでくる。以前はかなり長い距離も歩いていたのに、歩かなくなってきた。原因は、「抱っこして」という要求語が出たことが嬉しくて、気前よく叶えてきたことにあるとはわかっている。ただ今後もこれが続くと辛い。
A:抱っこしてあげれば良い。ただし、ずっと抱っこし続けるのではなく、抱っこしたらすぐ降ろす、を繰り返すことで良い。抱っこしたら降ろす、また抱っこしたら降ろす、この繰り返しでいこう。
●「集団」について
親:息子は幼稚園や保育園などの集団に入れるほうがよいか。小規模な集団が良いと考えているのだが、他にもなにか条件などあるか。
A:今の息子の状態なら集団に入るメリットは大きいだろう。どんな集団でも大丈夫だと思う。小集団に限らず、大きな集団の場合は子どもが一斉に動くからわかりやすいという良さもある。
息子がどのように適応するのか、あるいは問題があるのか、実際に集団に入ってみないことにはわからない。だからはっきりしたことは言えないが、入ったほうがメリットが大きいことは確か。
●自宅での遊び
親:家には様々な種類のおもちゃがあるが、息子は電車でしか遊ばない。親としては他のおもちゃでも遊んでほしいし、一緒に遊んだり教えたりしているつもりなのだが、うまくいかない。
例えば電車は手の届かないところに収納して他のおもちゃだけを手に取れるようにするとか、何か工夫すべきか。
A:大好きな電車のおもちゃを取り上げるのは、かわいそうだからやめるべき。
ただ、息子の遊ぶ様子を見ていると、電車の遊び方も短調だ。前後に走らせる、電車の名前を言う(「東海道線!」)、アナウンスの真似をする(「ドアが閉まります」)…そのくらいでとどまっている。例えば駅を作ってみたり、自動改札を真似てみたり、レールをどんどん広げたり、街をつくったり…電車だけでももっと発展的な遊び方がある。
遊びのスキルは多ければ多いほうが良いので、これは今後のABAでも取り組む。
親:息子と一緒に遊びたいと思うのだが、なかなかうまく入っていけない。息子がのってこないというか。
A:「後続条件」に違いがないのだろう。親と遊んでも一人で遊んでも、やることは一緒。それなら一人で気ままに遊ぶほうが良い。
親と一緒ならこんなこともできる、あんなこともできる、という風にはっきりとした違いをつけられると良い。
他にもこまごまとしたやりとりはありましたが、とりあえずこんなところでした。
最後に言われた「後続条件」については思い当たるところがいろいろありました。
例えば息子は、なかなか自分では食事を食べてくれません。スプーンやフォークを使えないわけではないし(食べるときもある)、補助箸も使い始めてはいるのだけど、すぐ手が止まってしまう。
どうしたらもっと自分で食べてくれるかなあと思っていました。
が、考えてみるとこの場合、
自分で食べる→お腹がいっぱいになる
自分で食べない→親が食べさせてくれる→お腹がいっぱいになる
という二択なので、後続条件が一緒なんですよね。それなら自分で食べず、食べさせてもらうほうが楽だわ。
今後は、少しかわいそうな気もしますが、自分で食べないならそれで食事を下げるというのを徹底しようと思います。
って、ちゃんとした親御さんなら普通にやっていそうなことですね。でも我が家ではやっていませんでした
とにかく食べてほしかったんですーーー
なんか、今回の記事を書きながら、自分自身のダメ親ぶりにため息が出ます
「療育」というより「育児」というレベルでの問題がいっぱいだーーー
書くことでちょっと客観視できたのは良いことでした(と強がってみる)
以下蛇足ながら…
このブログは、基本的には自分たち家族のために息子の成長の記録を残そうという趣旨なのですが、それがもし誰かのお役に立てたら嬉しいなとも思っています。私も他のかたのブログをめっちゃ参考にしています。
なので上記の記録も参考にしていただると嬉しく思うのですが、とはいえ息子の個別具体的な状況を見極めたうえでアドバイスをされたものなので、他のお子さんにそのまま当てはまる訳ではないかもしれません。
それぞれのお子さんの状態により、情報の足し算・引き算をしたうえで、ふ~ん、そんなもんかね~という程度に眺めていただけると良いのではないかと思います。
言われなくてもわかるよ!っていう話でしょうが、念のためでーす