たわいもない話ですが、「たわい」って、なに?(笑)って、ちょっとメモがわりに。
「たあいない」とも言い、「他愛ない」とも書かれますが、これは音変化したものの当て字です。
「たわい:①しっかりした態度や考え。多く『たわいがない』『たわいのない』『たわいもない』などの形で用いる。『-もないことを言う』『-のない話」 →たわいない
②(酔ったりして)正体がないこと。『御免下され,我等もう酔ひました,何申すやら- -/浄瑠璃・伊賀越道中双六』(大辞林)」
驚くことに、①と②はまったく逆(笑)。しかも②は中世の用例もあるわけで、つまり②が元と考える方が辻褄が合います。実際、「たわい」で「たわいない」の意があり、一説では『酒たわい』の略とも。で、酒に酩酊する意での用例は事欠きません。
浄瑠璃本・仮名手本忠臣蔵-七『御免候へたわゐたわゐ』
俚言集覧『たわひ酒たわひ酩酊を酒たわひ云』
歌舞伎・助六由縁江戸桜『侍までに蓮葉をとれとは、たわい助六さん、ちっともござんすまい』
滑稽本・東海道中膝栗毛-五『丁銀ほったら網がやぶりよかとおもふたに、ねからたわいじゃ。どしてあみにとまりくさったしらん』
東海道中膝栗毛では「たわいじゃ」、つまり「たわいである」(笑)なわけで、まともではないこと、という意味合いです。
ある意味、当時の流行語にみたいなものではなかったか、なんて思えます。
じゃあ、一体「酒たわい」などの語源とは? となりますが(笑)。例えば、
「たわし[戯し]:好色である。ふしだらなさまである。『かの大臣はいみじう-・しうて/栄花楚王の夢』(大辞林)」
そう、「たわけ者」の「戯けし」の類語「戯し」。こちらはもっと古くからある語で「戯れ」「戯言」の「戯」です。「戯けし」ならば、ふざけたさまや、淫らなさまを言う語。
つまり、「酒に対して、ふしだらでまともではない向き」→「酒に戯し」居佇まい、などの意味合いから「酒たわい」、つまり酔って乱れたさまを言うようになったのではないか、とも考えられます。
なんて。