
なんか怒られちゃったから、別の画像自分で描こうかな…とか思ったんだけど。
やっぱムリ(^^; エッシャー凄いわ。
なにがスゴイって、その幾何学的な画法が(^^)。
もともとこの「Belvedere(物見の塔)」は、だまし絵=錯視の図法「ネッカーの立方体」がベースになってるのね。
これは、立方体が斜め上から見た絵なのか、下から見た絵なのか、2通り判断できる錯視のコト。
次の絵は、上が「ネッカーの立方体」、下がこれを応用したエッシャーの立体(「Belvedere(物見の塔)」で左下の男が持ってる)。

ただ「ネッカーの立方体」は平行投影法(キャバリエ)で描いてあるから、錯視が成立する。
消失点のある透視図法で描いたら、どっちの面が広くなるかで、容易に判別できるからだ。
ところがエッシャー。これを透視図法的に描いてしまってる(^^;
で、冒頭の絵が「Belvedere(物見の塔)」の構造図。
一見並行投影法みたいな構造にみえるけど、実は2階床面と1階床面の間に消失点の水平線を設けることで、ネッカーの立方体の構造的違和感を見事に相殺しているのだ。
これがどんなにスゴイ事か、説明すると長すぎるのでハブくけど……本当にスゴイ!(^^)。
もちろん実際の消失点は画面の遠く外になるけど、実際これは透視図法といっていいだろう。
さらに、ただ透視図法なだけだと、2階の屋根(つまり3回床面)があるから、本来その高さの違いはフォローできず、結局違和感がでてしまう。
そこで、奥の屋根だけ1段高くして、平面上の高さを手前の屋根と合わせる技を使い、視覚的違和感を排除してる。
高さが同じように錯視させるため、屋根のデザイン自体も平面と曲面を巧みに合わせた構造にしてあるのだ。
一見ほわわん(笑)と描かれたような絵だけど、実は緻密な計算が散在する絵なのだ。
エッシャーって、奇をてらったダケの画家、と思われがちだけど、実は違う。
幾何学ペンローズ・タイルの平面充填を美術的にアプローチしたりして、非常に数学的な側面があるけど、ボクに言わせればそれは、たまたま、だったと言える。
彼は、立体にしろ、平面にしろ、とにかく「空間」にこだわり続けた芸術家だ。
だまし絵ではない風景画をみると、よくわかる。物凄いダイナミックな空間に魅了されるハズだ。
「Belvedere(物見の塔)」の背景の山々にも、そのダイナミックさが出ている。
アインシュタインは「光の速度で飛びながら光を発したらどうなる?」と発想できたファンタジーの天才だ。
同じようにエッシャーは、は写実路線でありながら、空間という名のファンタジーを追い求めた天才だった。
そこに「美」があることを信じて…知っていたのだ(^^)。
だから彼の絵は美しい。
