小説「告白」by湊かなえ | Mutant-Lab

Mutant-Lab

ブログの説明を入力します。


何人にも薦められちゃ読まないワケにはイカナイ(笑)。
今話題の本屋大賞受賞作で映画化作品……。

結論から言うと、本屋大賞ですね…よくも悪くも。
秀作ではあるが、傑作じゃないなぁって。惜しい。

全6章に章立てされて、ほぼ全編モノローグ。
第1章は、それだけで短編小説として成立してて、ほぼ完璧な出来。4章までは、もうすごいテンションで突っ走ってて、圧倒されまくり!

スゴイスゴイ!と思って読んでたら、5章6章で急減速……ああ、なんてもったいない。

これ、もしかしてモトは短編ネタを強引に長編に組み替えました?と聞きたくなる。
収拾がついてない。敗因は5章、6章それぞれのキャラの描きこみがブレてること。

5章の彼が、結局どんなヤツなのか、がぼやけて見える。狂気には理(コトワリ)があるはずなのに、それがない。ただのバカか、つーとそれも曖昧。述懐が矛盾とすり替えだらけにみえる。
あ、途中で投げやがったな?というポイントが明確にみえるようで…だからモッタイナイのだ。

1~4章までは、ホントどう展開するのか読めなくてワクワクしたのに、投げたポイントが見えた瞬間、先も見えちゃった(T-T)。
だから6章の彼女は、そのブレに付き合わされて、ブレまくってしまった。

それこそ、5章の彼が嫉妬した平和な笑顔、の側の論理ダケで終わってない?
彼がその笑顔を知らないのか、失ったのか、忘れたのか。そこを突き詰めなければ、この話は終われない気がする。それぞれ立ち位置が全然違うからだ。
第4章の彼は明確にイメージできる。あそこまで書ける人が、5章の彼を書けないはずがないと思うのだが…。

あの流れでいったら、5章は実際の倍から3倍はないと書けなくない?
なのにあらすじのように話が進む。2章の彼女など、まるでゴミのように投げ捨て。オイオイ。
ゴミならゴミでちゃんと分別しろってぇの(笑)。

以前、誰かが短編と長編ではまったく質が違う、といったが、そこを踏み誤るとどうなるか、が如実にでてる。

どーも最近、こういう作品が多い気がする。
発想はいいけど、それだけ。奇抜だけど、それだけ。まるでポップアート。
それは著者が作中で否定するマスコミの愚と、まったく同質のものではないだろうか。
奇抜ならいいのか? そうじゃないだろ。

オレは4章までは真剣に考えたぞ?この闇はどこに光を求めればいいのか、って。
オレだったらどう描く?何が言える?どうやってこの著者はそれを示唆するんだろう。
だからワクワクした。

だが、ブレまくって、残るのは曖昧な闇だけ。アンチテーゼにもなってない。
作品の最後の一行に、まるで魂がないように見えるのは、オレだけか?

オレが買った文庫には、映画版監督のインタビューがついてた。読んだ。笑った。
作者と同じ轍に嵌ってない? この閃きは間違っていない。が、どう解釈していいのか。結論を放棄してるようにみえる。これが、著者が否定したはずの(でも自家中毒に陥った)マスコミの愚の、根っこなのに。「愚か」な大人たちそのものじゃんか。