無職の妻でもキレイでいたい」でも述べたように、私は“美”に関してとても気をつけていた。しかし、喧嘩をした次の日の自分の顔を見て愕然とした。

 

その日は、夜遅くまで彼の仕事のことで言い合いをし、いっぱい泣いた。

そしてそのまま就寝。

次の日、鏡に映った自分は、お婆さんのように目じりが下がりクマができ、瞼はぶち腫れ、口元はへの字に曲がり、頬はまだらに赤くなっている。こんな顔は自分じゃないと鏡を見ることも嫌になった。心は曇り、いくらお化粧をしても顔の表情までは隠せない。

自分が醜いと分かっているから、鏡も見たくない。

人にどう思われているか視線も気になる。

だから、うつむきがちになる。

こんなことでは、良い運気など回ってくるはずがない。

悪循環だ。

そう言えば最近、夜のお肌のお手入れも丁寧にしていない。

肌もきちんと見ていない。そう思って鏡をよく見ると、シワやシミが増えていてショックを受けた。

そして、こんな筈じゃなかったと更にネガティブな感情が生まれる。

 

そこで、外見だけでも小奇麗にしてみることにした。

朝起きて顔を洗い、化粧水と美容液と乳液で整え、保湿をしっかりする。

出来れば顔の体操もすると顔の筋肉が鍛えられ、表情が良くなる。

それから化粧下地でくすみやシミを隠すようにしっかりむらなく塗る。

その上にファンデーションとフェイスパウダーで自然な肌に仕上げる。

これだけで、お婆さんから脱却だ。

そして眉毛を整え、アイシャドーにアイライナー、そしてマスカラでパッチリメイクに仕上げる。

チークを優しいピンクでほんのり色を持たせる。

口紅にグロスをすれば、口角まで自然と上に向いてくる。

やっぱりお化粧するだけで、気分も上向きになってくる。

心に余裕がないと、お化粧するのも億劫になり、お昼過ぎの肌が明らかに違っている。

ファンデーションは浮き上がり、肌の色にもむらができる。

そして、口元は乾燥し、シワがくっきりついている。

朝のお手入れが適当だと、このような現象が起こってくる。

こうなってしまうと、鏡から目を背けてしまう。

そうならないためにも、気持ちを切り替えなければならない。

そのためには、少しでも外に出ることが大事だ。

家の中にいると、醜い自分を見ずに引きこもってしまう。

しかし、外に出るためには、少しは鏡を見なければいけない。

そして、少しでも身なりを整えようとする。

そうすることで、気持ちを紛らわせることができるのだ。

話がそれてしまったが、私がお金をかけるのは、ベースの化粧品で、彩りを付ける小物はチープなものを使っている。

そんなに流行を敏感に取り入れたりということはないが、普通のお化粧をするだけでしゃきっとなってくるものだ。

そして、鏡を見たくないという気持ちもなくなり、常に自分をチェックするようになる。

少しでもキレイに見られるように意識し、気を付けるようになる。

もっともっとキレイになりたいと思う。

全てを嘆くより、今自分の出来ることで、自分なりに向上していけたらいいと思う。

いつも自分を悲観してばかりいると表情も暗くなる。

それよりも、自分は自分で輝いていけたらと割り切ることが出来たら、キレイな自分になれるんじゃないのかなと思う。

 

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短い期間だったが、彼が高収入の正社員での仕事をしていた時期は、

「自分はなんて幸せなんだ。誰にも負けないだろう。」と自信満々だった。

そんな時は、誰かが喜んでいると一緒に喜ぶことができたし、困っていると本当に助けてあげたいと思った。

 

人間が天使になるか、悪魔になるかは、環境によって変わってくるのかもしれない。

 

ただ中には、本当に心が清い人もいる。

彼がその一人だ。

たとえ何があっても、すぐに許すという心を持っているし、人を憎んだり恨んだりしない。

それに引き替え私は、悪魔だ。

私も自分の気持ちを“無”にしたくて、精神理論のような本を読んだりもした。

だが、「ほー、素晴らしい。こんな風になれたらいいな。」と思うくらいで、実際には黒い感情が渦巻いてしまう。

“無”の境地へたどり着くには、あとどれくらいの試練を乗り越えたらよいのだろう。

この感情を“無”にするためには、どうしたらよいのだろう。

今だに分かっていない。

天使でいれたらどんなに楽だろう。

“悪”の感情を抱くと、自分自身もとても疲れるのだ。

そしてそのエネルギーを相手にぶつけてしまったら、更にエネルギーを必要とすることになる。

喧嘩がまさにそれだ。

自分の負のエネルギーを相手にぶつける。

そうすると、どんどん負の中に呑まれていき、自分でコントロールできなくなってしまう。

そうなるともう私は悪魔そのものだ。

 

人は誰しも天使と悪魔の顔を持っているのだろう。

欲望と憎悪の虜になってしまうと、犯罪にまで手を染めかねない。

負の力はとても強大で、寄せ付けないためにはとてもパワーがいることだろう。

それをも寄せ付けないだけの力を身につけておきたい。

それでなければ、たとえ何が降りかかってこようとも、跳ね返せるだけの力が欲しい。

そのためにも、全てを受け入れて許せるような心の持ち主でありたいと願う。

 

 

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遂に限界を迎えた。

無職との生活も終わりにしようか。

私の心は迷い始めた。

「このまま彼と一緒にいて良いのだろうか。」

「こんな生活で今後幸せになれるのだろうか。」

そう、私は、自分が憎んでいた人たちの罠にはまり始めた。

 

人間は汚い。

他人の不幸は蜜の味。

他人の幸せは羨ましさから、そこに憎らしさが生まれる場合もある。

実際に私も経験したことがある。

 

ある知人に、結婚の報告をした。

すると「へー、いいんじゃない。おめでとう。」と言われたが、全く喜んでいない様子だ。

相手がそのようなつもりはなくても、こちらにはビンビン感じることがある。

そして同じ相手に、うまくいってないと相談すると、急に元気になり「どうしたの!?何かあったの?」と身を乗り出して聞いてくる。

そのような人に限って、悩みを打ち明けると、「あ~、もうダメじゃない?」とか「やめた方がいいんじゃない?」と簡単に言う。

マイナスのことしか受け取らず、マイナスをプラスに変えようとはしてくれない。

それが相手を思っていているならまだしも、相手を陥れるつもりで言ってくることもあるのだ。

そこで相手のペースにはまってしまうと、自分の正常な判断をも誤ってしまう。

それでは相手の思う壷である。

場合によっては、相手を見極める力が必要になる。

冷静にならなければならない。

 

このほかにも、私がまだ若かりし日のことだが、新しいバッグを買った。

それを目敏く見つけた人が、「あ、新しいバッグ買ったんだぁ。いいなぁ。かわいいね、どこで買ったの?私も欲しいなぁ。」などと言ってくる。

しかし、実は陰で他の人に陰口を言っているなどというのが耳に入ってきたりする。

表面上、仲良くしている間柄でも、そのようなことがある。

 

自分の生活にどこか不満があったり、安定していない場合は尚更“悪”の感情がうまれやすい。

 

私自身もそうだ。幸せそうな人を見ると「いいなぁ、羨ましいなぁ…」と思い、自分が一番不幸な気がしてしまう。

そして、その場では、「よかったね。」「いいなぁ。」と笑顔で答えることが出来ても、内心は「あの人はこうなのに、私は…」などと比べては嫌な気持ちになってしまう。

 

誰もが持っている悪の心…

 

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出会った頃の彼は、おしゃれでかっこよくて、仲間から“ナンパの切り札”と言われていた。

それは、女の子に声をかける時に、他の人が何を言っても振り向かなかった女の子が、彼が現れると振り向くからということだった。

本当かどうかは分からないが、昔の彼を知っている人が言っていた。

そんなナンパに付き合っていたとも思えないが、それはまぁいい。

 

私の知っている彼は、寡黙な一匹狼タイプで、スポーツカーに乗っていて、ロックが好きな人だった。

そんな彼が実は、オタクであることに気づいたのは結婚前のことだった。

 

アメリカから帰ってきて、久々に彼の家に遊びに行くと、テレビでは、ス○パーのアニマック○が常に流れている状態である。

以前はロックが流れていた車からは、アニメのサントラが聴こえてくるではないか。

部屋には色々なフィギュアが増えている。

そしてデートで連れて行かれた場所は、フィギュアがたくさん置いてあるようなところだった。

しかも、偶然お店で会った彼の新しい友達は、アニメキャラの入った服を堂々と着て歩いている。

 

反感を抱かれるかもしれないが、私はオタクが苦手である。

何故なら、東京で暮らしていた時に街を歩いていると、なぜかオタクっぽい人によく声をかけられたのだ。

ほんとに昔よくいた紙袋をぶらさげたケミカルウォッシュのジーパンを履いているような人だ。

「写真撮ってもいいですか。」

「ちょっとお話させてください」といった具合だ。

挙句の果てに、「すみません…」と言いながら、私の腕に人差し指でつーっと触ってきたりということもあった。

私にそのような趣味があって、コスプレをしていたり、アニメのT-shirtを着ているわけでもないのに、なぜか寄ってきたのだ。

それからというもの、オタクに対して嫌悪感を抱くようになった。

 

そんな彼の変化に驚き、まさか彼がオタクに変化することはないだろうとたかをくくっていたのだが、そんな期待とは裏腹に彼はどんどんオタク化していった。

 

クールな彼とは打って変わり、アニメ好きのゲーム好きキャラになり下がってしまったのだ。

そして、ゲームについて私に一緒にやろうと強要してきた。

ゲームは嫌いではないが、熱く語られると興ざめしてしまう。

そして無職の状態で、ゲームをしようと思う彼が憎らしくもあった。

なので、仕事が決まるまでゲーム禁止令を発令した。

すると彼は、私に隠れてゲームをするようになった。

私が仕事に行った後、こっそりゲームをしていたり、ポータブルゲームを鞄に隠し持っていたのだ。

そのことに気づいた私は激怒し、彼は2度と私の前でゲームの話をしない約束をした。

 

彼のコレクションは様々だ。

洋服のブランドのキャラクターや、DISNEYやアニメのキャラクターのフィギュア。

それらを大切そうにコレクションボックスに並べている。

ブランドのキャラクターについては、ネットオークションなどで高値で売られているらしい。

いつかそれらをオークションで売ってやりたいと狙っているのだが、厳重に保管されているため難しい。

 

私が一番困っていることは、おもちゃのおまけを集めることだ。

それほど好きではないキャラクターでも、見ると欲しくなるのか、せっせと集めている。

ゴミが増えるだけだからやめてほしいと言っても彼は聞き入れてくれず、うれしそうにキャラ説明をしてくる。

そんなものに詳しくなってもうれしくない。

いつかこれらが高値で売られることを望んでいる。

 

 

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彼は、結婚するまで実家で暮らしていた。

そして、もちろん家のことなどは彼の母親が全てやっていたので、料理はもちろん掃除やゴミ出しなど全くやったことなどなかった。

 

私も前述したように、料理や家事は得意な方ではない。

だが、必要に駆られて毎日こなしていた。

たとえ彼が無職でも、料理や掃除は私がやった。

時々、洗濯を干すことなどは手伝ってもらったが、自らすすんでやってはくれない。

 

彼の無職の状態が長くなればなるほど、私の不公平であるという感情が大きく膨れ上がり、噴火してしまった。

それからというもの、彼が積極的に家事に参加してくれるようになった。

 

以前は、私が頭痛などで食事の準備が出来ないときは、せいぜいお弁当を買ってきてくれることぐらいしかできなかったが、「これの作り方教えて」といった具合に少しずつ料理を覚えていった。

とはいってもまだ、チャーハン、ラーメンや簡単な炒め物しか出来ないのだが、今では外食はもったいないからと言って自分が作ってくれるようになった。

 

食事の片付けも、私が休んでいるといつの間にか鍋やお皿を洗ってくれるようになった。

以前は、私が仕事から疲れて帰ってきて、ごはんの準備をして、その後寝てしまい目を覚ますと、テーブルの上のお皿などがそのままになっていてイライラすることが多々あった。

それで文句を言うと、「言ってくれればやるのに。」といつも答えていた。

こっちは言う前に私の思いを汲んでやってほしいと思いまたイライラする。

しかし、今は何も言わなくてもやってくれるようになった。

 

洗濯も初めは、私が洗濯物をまとめて洗濯ネットに入れ、洗剤や柔軟剤を入れてスイッチを入れて、スタートさせるところまでやっていたが、その手順を説明すると、彼がお風呂に入る前に洗濯をスタートさせて、お風呂上がりに干す作業まで終えている。

 

洗濯ものを取り込む作業もいつの間にか彼の担当になっていた。

洗濯物をたたむことが苦手だった彼だが、せめてタオルはこうやってたたむように指示をすると、初めは時間がかかり整わないたたみ方だったのが、時間が経つごとに手早くきっちりたためるようになっていた。

 

子(犬)の世話も率先してやってくれるようになった。

ごはんの準備から、トイレの掃除。遊び方も私よりもうまくなってきた。

今では、彼の方を慕っていて、私が呼んでも来てくれないが、彼が呼ぶと走っていく。

隣に私が座っていても、キッチンでお皿洗いをしている彼をじっと見つめて、私の方は見向きもしないのである。

そして、彼が近寄るとすぐにお腹を見せて喜んでいる。

そして、私がイライラしてくると、肩もみやマッサージをしてくれる。

私が愚痴ると、優しくあやしてくれるのだ。

 

きっと彼は、あげまん妻になれる人物だと思う。

私にこのような特技があれば、無職の彼を抱えて苦しむことはなかったのかもしれない。

やはり妻は夫を手の上で転がし、おだてて感謝するのが一番であるのだろう。

現在無職の彼のどこを褒めたらいいのか分からない私はダメ妻である。

 

このまま“主婦(夫)業”を入れ替わってもいいかなと思うこともあるが、どんなに彼が主夫業に向いていてもやはり私は彼に少しでも働いてほしいと願う。

 

 

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