かつて、トヨタ(TOYOTA)から、カローラ、コロナ、クラウン、クレスタのように、よく似た発音の自動車、しかも英語スペルのCで始まるものが量産されていたことを覚えている人も多いかもしれない。全てはクラウンから始まっているのだが、冠をあらわす言葉とそこからの派生語でシリーズ化していたのである。ちょっと、振り返ってみよう。

 

①クラウン(CROWN)

英語で「王冠」をあらわす言葉。

 

②カローラ(COROLLA)

ラテン語で「花で作った冠」「花冠」をあらわす言葉。

 

③コロナ(CORONA)

ラテン語、イタリア語、スペイン語で「王冠」をあらわす言葉。英語のクラウン(CROWN)の語源。数年間の新型コロナウィルスの蔓延で、この単語のマイナスイメージも蔓延した。

 

④クレスタ(CRESTA)

スペイン語で「山頂や尾根といった頂上」や「冠や紋章」、「ニワトリのトサカ」をあらわす言葉。

 

⑤カムリ(CAMRY)

きわめつけが、このカムリ。日本語の「冠」が語源。しかも、他の車と同様に頭文字は「C」。洒落や語呂合わせ、掛詞の発達した日本語らしいネーミングと言えよう。「観音」をルーツとする企業名「キャノン(Canon)」や、事実上の創業者が松田さんで、さらにゾロアスター教の最高神、アフラ・マズダにあやかった企業名「マツダ(MAZDA)」とも類似性があるネーミング。

 

 

 

※ちなみに、カリーナ(CARINA)は英語で「りゅうこつ座」、コルサ(CORSA)はイタリア語で「疾走」「競争」、セリカ(CELICA)はスペイン語で「天上の」「神秘的な」「神々しい」をあらわす言葉で、「冠」との関係はない。