昨年、京都府南丹市美山町のかやぶきの里へ行く機会がありました。
天気があまり良くなかったのが残念でしたが、日本の原風景を見ることができた気がして、癒されました。
いたるところに消火施設があるあたり、世界遺産の白川郷との類似点を感じました。
自分には知識が足りず、茅葺きと藁葺きの違いも見きわめられません。
自分の母方の祖父母の田舎は、岡山県の湯郷温泉よりも少し北にありました。
まだ昭和の頃、父親のマイカーで姫路から田舎までよく行ったものです。
その道中には、オレンジ色の柿の実と木、そして藁葺きか茅葺きの家がいくつも見られました。
おそらく、ワラかカヤを葺く人材がいなくなっていったのでしょう、今ではそれらの住宅の屋根はトタンか何かの金属が貼られたものばかりになってしまいました。
以前に、植物が衣・食・住のさまざまに使われてきたことについて、述べたことがあります。
植物観察と花の名前調べ(再掲載) | 武術とレトロゲーム (ameblo.jp)
ワラや、チガヤ、スゲ、ススキは、「住」に使われた植物の最たるものでしょう。もうひとつ挙げるとすれば、畳の原料となるイグサです。
そして上記リンク先では、「竹」はタケノコを食べるだけでなく、竹籠や竹梯子、竹製の箸などとして利用されてきた、と述べました。
今回、美山かやぶきの里を散策していて、昔は「雨樋」も竹製だったことに気付きました。思い返せば「鹿おどし」も竹製ですよね。
あと、茅葺きや藁葺きだと、雨は家の中に入ってきませんが、空気は外へ抜けていきます(たぶん)。屋内で囲炉裏や火鉢、木炭・炭団・練炭・豆炭を用いたコタツを使用しても、一酸化炭素中毒になることは少なかったのではないでしょうか。
そう言えば、先述の母方の祖父母の家を新しく建て替える前は、冬の夜に布団の中で寝ようとしたら、室内なのに息が白く見えたような記憶があります。
かやぶきの里 | 京都 美山ナビ | 京都 美山ナビ | 日本の原風景が残る京都・美山町の観光情報サイト (miyamanavi.com)
かやぶきの里|観光情報検索|京都“府”観光ガイド ~京都府観光連盟公式サイト~ (kyoto-kankou.or.jp)
美しい“日本のふるさと”、美山。見どころ・グルメ・アクセスをチェック!|そうだ 京都、行こう。 (souda-kyoto.jp)
※たまたま、最近読んだ『日本人は何を食べてきたのか(永山久夫・著/青春出版社/プレイブックスインテリジェンス)』の中に「囲炉裏」について言及された箇所があったので、抜粋してみます。
「家の中に常時、裸の火があるというのはかなりの危険を伴うものだが、一昔前まで、とりわけ農家においては当たり前のように家の中心に囲炉裏があった。そしてその機能も多彩だったのである。たとえば煮炊きする調理・食事の場であるとともに暗い空間を灯す照明であり、寒い冬を乗り越えるための暖房ともなった。また家族や客人が集い語り合うコミュニケーションの場であり、夜なべ仕事をする場でも老人が子どもに昔話を語り継ぐ場でもあっただろう。さらに、衣類などを乾燥させる役目や屋根の裏の藁の中にいる虫を燻すという燻蒸効果もあったのだ。」