前回、「伊佐々王・猪笹王(いささおう・いざさおう)」と呼ばれる大鹿の怪物(または大猪の怪物)について書いたので、

 

伊佐々王、猪笹王、天伊佐佐比古命、伊佐市、諌早市、もののけ姫のシシガミ・・・ | 武術とレトロゲーム (ameblo.jp)

 

 今回は、「牛鬼(うしおに)」と呼ばれる妖怪について、妄想してみたい。

 この妖怪は、牛と鬼を混ぜたような顔に、蜘蛛の体で表現されることの多い西日本の妖怪である。

 ところが不思議なことに、牛をモチーフにしているにもかかわらず、海と関連の深い妖怪なのだ。

 

 自分は日本語学に詳しい訳でも、民俗学に詳しい訳でもないが、個人的な妄想だと「ウシオニ」と言う単語の中に「ウシオ」と言う発音が入っており、これはもともと「潮」を表していたのではないかと思うのだ。以下の2つの考えを思いついた。

 

 ①もともと山間部に現れる妖怪「牛○○」と、海岸部に現れる妖怪「潮○○」が、ある時期に混同されるようになったのではないか。

 

 ②もともとは海岸部での脅威を怪異化した「潮に」、もしくはそれと似た発音の妖怪がいたが、その発音とイントネーションから「ウシ・オニ」と分節化されるようになり、後から牛や鬼のイメージが付け足されたのではないか。

 

 岡山県の美作(山間部)には、読みが「ギュウキ」で「牛鬼」と書く妖怪がいたようだし、岡山県の牛窓は、地名に「牛」の字が含まれるものの、瀬戸内の海岸部にある。山口県の光市には牛島がある。興味は尽きない・・・