前回は、1988年(昭和63年)3月に上映された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』について述べた。

 

 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の思い出 1988年(昭和63年)3月 | 武術とレトロゲーム (ameblo.jp)

 

 実は、その翌月にあたる4月に『となりのトトロ』と『火垂るの墓』は公開されており、同じメンバーで観に行っている。こちらも、特別前売券を一緒に保管しており、スキャンしてアップしてみた。二枚目の画像でわかる通り、観に行った映画館は『姫路OS』である。

 

 『火垂るの墓』は昭和20年頃の日本を描写しており、『となりのトトロ』は昭和30年代前半の日本を描写している。わずか十数年で、日本はここまで変わったのかと驚くばかりである。

 前回述べた通り、当時の映画館は一度入場してしまえば、何周でも同じ映画を見ることができた。

 両作品のうち、どちらを先に観るのかと言う話になる。先に『火垂るの墓』を観てから『トトロ』を観ると、「こんな大変な時代があったのか。この時代を踏み台にして『トトロ』の時代や今の自分の時代があるのか。」と深刻に考えこんでしまい、はしゃいだ気分、浮かれた気分で『トトロ』を堪能できなくなってしまう。

 反対に『トトロ』を観てから『火垂るの墓』を観ると、映画館を出るときに悲しさと自分の恵まれ過ぎた境遇のことで頭がいっぱいになり、『トトロ』の印象が半減してしまう。

 ちなみに自分はグループで観に行ったので、『火垂るの墓』を観てから『トトロ』を観ることとなったが、ちょっと変わっていた自分は、そのあともう一度『火垂るの墓』を見直すと言い張って、みんなに先に帰ってもらった記憶がある。

 

 『火垂るの墓』を観ている途中に暗い映画館の横方向に目をそらすと、50代くらいの女性が泣いていた。おそらくは戦争経験者だったのではないか、と10代の自分は想像した。だからと言って、多感なあの時に深刻に考えた分、自分が社会を良い方向へ傾けることができたかと言うとそう言う訳でもない。

 今の自分に言えることは、現代の若者も『火垂るの墓』を鑑賞する機会を持ってほしい、それぞれが社会について考えてほしい、それが何か良いことに繋がるのではないか、と言ったあたりである。

 

 

※関連リンク先

姫路の映画館さようなら(大劇・OS・山陽座) | 武術とレトロゲーム (ameblo.jp)

 

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