令和元年は、元号が変わり、消費税増税。

 令和2年は、世界的な新型コロナウイルス蔓延。

 令和3年は、事実上パンデミック下の東京でオリンピック&パラリンピック・・・

 毎年、「節目」じゃないかとも思えてしまう。よく「激動の昭和史」と言われるが、昨今がゆるやかとも思えない。

 

 武術的には、大きな進展はなし。アウトドア的には、ある目標を達成したがいまだブログでは述べておらず、来年になってから記事にしてみたい。

 

 植物観察については、4月下旬に足元から宝石のように姿を現した小さなヒメハギの花に、心を奪われた。今まで、この花の名前さえ知らなかった訳で、山歩きを本格的に始めたのは2012年頃からだが、10年近く足元にヒメハギが咲いていても、気付かずに通り過ぎていたことになる。心豊かな山歩きとは何なのか、考えさせられた。

 観賞用植物に関しては、ムラサキゴテンと呼ばれる植物を今年まで知らなかった。葉と花の色彩が、美しい。雨滴のあるみずみずしいビビッドな瞬間を写真におさめた。

 

 音楽的には、1980年代、1970年代の音楽を掘り起こすかたちとなり、今まで聴いたことのなかった岸田智史(敏志)や相曽晴日を聴くようになった。太田裕美や石川ひとみやYMOも聴き始めた。尾崎豊のルーツのひとつに岸田智史(敏志)がいたことは、今年まで全く気付かなかった。また、ゲームミュージック史を考える上で、YMOの影響は大きい。

 

 読書については、今まで講談社講談社現代新書や講談社ブルーバックスのような論説文(説明文)やエッセイを主に読んでいたので、小説はいつも従であった。ところが、昨年に相沢沙呼の『medium [メディウム] 霊媒探偵 城塚翡翠』と今村昌弘の『魔眼の匣の殺人』で火が点いてしまった。今年読んだ推理小説と、その周辺分野の小説を列挙してみよう。

 

 

『屍人荘の殺人』 今村昌弘・著 東京創元社 創元推理文庫

『推理大戦』 似鳥鶏・著 講談社

『アクロイド殺し』 アガサ・クリスティー・著 早川書房 クリスティー文庫

『アガサ・クリスティー推理・探偵小説集[1]』 アガサ・クリスティー・著 偕成社 偕成社文庫

『催眠 完全版』 松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『千里眼 完全版』  松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『千里眼 ミドリの猿 完全版』  松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『千里眼 運命の暗示 完全版』  松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『千里眼 マジシャンの少女 完全版』  松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『マジシャン 完全版』  松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『イリュージョン 完全版』  松岡圭祐・著 角川書店 角川文庫

『Another(上)(下)』 綾辻行人・著 KADOKAWA 角川文庫

『AnotherエピソードS』 綾辻行人・著 KADOKAWA 角川文庫

『催眠術師』 清水義範・著 ベネッセ 福武文庫

『六枚のとんかつ』 蘇部健一・著 講談社 講談社文庫

 

 

 推理小説初心者ではあるが、「どんでん返し」と「プロット」、「トリック」と「ストーリー展開」に、予想以上の共通点や類似点があり、分析してみると面白い。だが、昨年読んだ『メディウム』と比べて、慣れのために衝撃度が低下しているのも事実である。また、『六枚のとんかつ』内の電車トリックとか、バカバカしくて大好きだ。今後は、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』や、赤川次郎の『マリオネットの罠』あたりに手を出してみたい。

 

 よくテレビで年末に、今年鬼籍に入られた人を振り返るが、昨年まではあまり実感がなかった。ところが、今年はとても意識した年だった。つまり、自分もソチラ側へと徐々に足を踏み込んでいく世代となっていると言うことだ。

 まず、柔道の古賀稔彦。若過ぎる、そして柔道出身の武道家、東孝も逝去する。東孝は、古賀稔彦がガンで亡くなったのを知ったのちにガンで亡くなっている。キックの鬼、沢村忠も鬼籍に入った。祖母が亡くなったあと、般若心経関係の書籍を何冊も読んだが、その中で一番わかりやすかったのが、講話を文字にした瀬戸内寂聴の『般若心経』だった。また、自分は落語はほぼ鑑賞しないのだが、RPG『サバッシュII』の作者でありながら、狛犬の研究者で『狛犬コレクション』の著者でもあった三遊亭円丈(圓丈)も、亡くなられた。『サバッシュII』の作者と『狛犬コレクション』の著者が同一人物と思っておらず、驚きのメールを本人に送付したら返信があったのも良い思い出である。自分は白土三平の『カムイ伝』は未読なのだが、昔『忍者武芸帳』を読んで、「これを1960年代にやられたら、あとの漫画家がしんどいくらいに、凄い内容だ。」と思った。『カムイ伝』は、第一部と第二部で絵のタッチが異なるが、それは第二部の作画は弟の岡本鉄二によるものだから。白土三平の死去した4日後に岡本鉄二も死去しており、最後まで二人は繋がっていたのではないかと感じる。さいとうたかをも、今年に亡くなっており、「劇画」と呼ばれるジャンルの区切りの年であった。自分が立花隆を知ったのは、田中角栄でもなく、環境ホルモンでもなく、NHKで放映された臨死体験の特集番組であった。その後、『「知」のソフトウェア』を読了している。改めて、皆様の冥福をお祈りしたい。

 

 早くアクティブな行動に対する罪悪感のない社会が訪れてほしいが、マスクや検温やアルコール消毒は、このまま一般社会のならわしと化するのかもしれない。少しでも、社会が良い方向へ行きますように。

 それでは皆様、良いお年を!!