前回、『あるある兵庫五国(兵庫県公式ふるさとあるあるマンガ)(もぐら・著/ぴあ・刊)』を読み、

 

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 その中の43ページに「播磨・難読地名テスト」が掲載されていた話を掲載した。

 

播磨難読地名クイズ?! | 武術とレトロゲーム (ameblo.jp)

 

 そしてこの本には、「ひめじ」の発音(アクセント)の話も掲載されていた(37ページ)。

 おおざっぱに言うと、「ひめじ(姫路)」は地元の発音と標準語の発音が異なっており、地元の人間が標準語風の発音を聞くと、激しい違和感を感じるのだ。そのことについて、上記の本の内容と、以前から自分が思っていたことを絡めて述べてみたい。

 

 関東地方等、他地域から来た人は、「ひめじ」の「ひ」の字にアクセントを付けて発音する。つまり、標準語の「ひじき」や「こうべ(神戸)」や「あわじ(淡路)」と同じ。

 ところが、地元の人は「ひ」「め」「じ」の3音とも、同じ高さで発音する。つまり、標準語の「しめじ」や「かわせ(為替)」や「しぶや(渋谷)」と同じ。

 そのために、全国的に有名な歌手や演奏家が姫路にやってきて、コンサートやライブの冒頭のマイクで、「ここ『ヒメジ』の地にやって参りました。」とか標準語風に発音してしまうと、ガッカリ感が漂う。場合によっては、「違う!ひ・め・じ!」等のヤジが入る場合も・・・

 

 この「ひめじ」の標準語風発音に一役買っているのが、新幹線車内の英語アナウンス。あれが、標準語風発音を広める原因のひとつではあるが、地元市民からすると違和感ありまくり。

 

 ただ、「あわじ(淡路)」を仮に「阿波の国への道」としてみよう。とすると、「あわじ」の発音は、標準語的に妥当な発音と言える。同様に「ひめじ(姫路)」を「日女道」「姫の道」とすると、「ひめじ」の標準語的発音は妥当と言えないだろうか。

 

 また、非常に面白いことに、関東地方の人が「ひめじ」と発音すると、前述の違和感のある発音となるが、同じアクセントで「姫路城」「姫路市」とは発音しない。「姫路城」「姫路市」は、地元の市民と同じ発音なのである。

 

 反対に高校野球で有名な「東洋大姫路」の「姫路」の部分は、地元の人も関東地方の人も、「ひじき」や「神戸」や「淡路」や「明石」と同じ発音となる場合がほとんどである。「地元の人が嫌がるヒメジの発音、東洋大姫路のときは、地元の人がやってるやん?」との話である。ただし、「東洋大姫路高校」「東洋大姫路高等学校」のときは、「しめじ」や「渋谷」や「為替」と同じ発音となる。新幹線内の英語アナウンスとともに、「東洋大姫路」の発音は、標準語風発音を広める原因のひとつとなっているのではないか。

 

 さらに、姫路市からJRの新快速で少し西へ行った「網干(あぼし)」にも、似たような現象が発生している。電車内のアナウンスが「あぼし」の「あ」の時にアクセントを付ける発音なのだ。つまり、標準語風発音の「ひめじ」や「こうべ」や「あわじ」や「ひじき」や「みかん」と同じ。地元の市民は「あぼし」の「ぼ」の字にアクセントを付けて発音する。標準語の「たわし」や「おかし(御菓子)」と同じ発音。ただし、「姫路市網干区」となると、「あぼしく」の「し」にアクセントを付ける。