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 兵庫県立美術館で、5月19日までやってる「レジェンド・オブ・メカデザイン 超・大河原邦男展」へ行ってきた。

http:// www.art m.pref. hyogo.j p/exhib ition/t _1303/

 アカデミックかつ公立の施設に、ここまでポップカルチャー(サブカルチャー)が入りこむ時代がきたのか、と感慨深いものがある(大丸・三越の催し物広場でやるのとは、全く意味合いが違う)。
 しかも、東京でやらずに、地方都市が先駆けになっているところがすごい。おかげで日帰りで鑑賞できた。

 しかも、大河原氏本人が指摘しているように、これまでのイベントでよくあったポスター等の掲載のみではなく、設定画(設定資料の原画・いわばマル秘資料)をここまで、サンライズやタツノコプロから借りてきて公開した功績は大きい。

 もちろん撮影禁止のため、画像の掲載には無理があり、なかなか自分の興奮を伝えることは難しい。
 まずは、ポスター画・設定画(ラフ)が二本の柱となり、ところどころに、当時の大河原氏が関係した当時のアニメ動画が、流れている(個人的には、無理やり曲面のあるブラウン管で再生してほしかった)。そしてもうひとつ、どこから拝借したのか、傷ひとつない玩具が展示されているのだ。倒産したクローバーのガンダムDX合体セット(Gファイターとか合体)を見たときは、驚愕と郷愁を同時に感じた。そして、ハイコンプリートモデルのバイファムとネオファムの姿も・・・。さらには、逆転イッパツマン(タイムボカンシリーズで一番シリアスでストーリー性があった)の逆転王&三冠王の姿も・・・お腹いっぱい。あと、MSVじゃないMSX(モビルスーツ・ペズン)のゾゴックとアッグガイの決定稿も発見。そして、等身大のスコープドッグ!!まるで、江戸時代の信心深い人が、大きな仏像を見上げたときのように神々しさを感じてしまった。

 http:// headlin es.yaho o.co.jp /hl?a=2 0130324 -000000 00-mink ei-l28

 http:// photo.s ankei.j p.msn.c om/koda wari/da ta/2013 /03/22k obe/

 自分は、ストーリーそのものよりロボットの造形や、ストーリーの裏にある設定に興味を持つタイプだったのだが、ザクのデザインは、玩具メーカーやアニメ会社から、あまり注文がつかず自由にデザインできたことや、そのザクのデザインのモチーフが背広にあることなどは、知らなかった。さらに、ガンダムやドムの大河原氏の初期デザインは通らず、あの安彦良和氏のデザインが決定稿になったことなどは、今回初めて知った。

 また「超・大河原邦男展」と「超」が付いている通り、メカデザインの変遷を説明する上で、「超時空要塞マクロス」の「VF−1Jバルキリー(河森正治デザイン)」、「聖戦士ダンバイン」の「ダンバイン(宮武一貴デデザイン)」、「重戦機エルガイム」の「エルガイム(永野護デザイン)」の設定画(決定稿)を借りてきて、ちゃんと展示しているところもすごい。そして、展示入口はちゃんと鉄腕アトムと鉄人28号から始まっていた。

 自分は、諸般の事情で、当時「SPTレイズナー」をちゃんと見ていなかったのだが、TV放映打ち切りのせいで、幻のメカとなった「レイズナー Mark2」の大河原氏の色付き設定画が見れただけで、すでに満足だった。人型形態と飛行形態の両方の画が展示されていた。いや、すごいよ。

 他の方も指摘していたが、現在世界的に評価されている日本の浮世絵も、当時は大衆芸術。今回のような架空メカデザインも、芸術としてアカデミックに評価される時代が将来訪れるのかもしれない。あと、自分が大きなロボットを見て感動する感覚って、昔の人が大きな明王とか菩薩とかの像を見て手を合わしたくなる感覚に、やや近い気がする。
 
※書き終わってから思い出したのだが、ガンプラブームくらいの時期に、アニメブームとリアルロボットブームが重なって、「ゴッドマーズ」やら「ブライガー」やら「ダイラガー」やらロボットアニメが雨後の筍のごとく発表されて、その中で「太陽の牙 ダグラム」は、「太陽の牙 ザクティブス(仮)」と言う仮名で、「テレビランド」やら「テレビマガジン」に放映前の情報が掲載されていた。そして、そのときのザクティブス(ダグラム)の頭部は、今回の展示にあった決定稿前の企画版のイラストの頭部だったと記憶する(小学生だったのに、よくここまで覚えているものだ)