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最近のTVゲームしか知らない人には理解しがたいことだと思うが、ファミコン初期には、「効果音はあるが、BGMのないゲーム」「タイトル画面には音楽があるが、プレイ中にはBGMの存在しないゲーム」が多く存在した。例えばの話、「スペースインベーダー(1985年4月17日発売・タイトー)」のBGMや、「ゼビウス(1984年11月18日発売・ナムコ)」のBGMも、効果音なのか、BGMなのか断言しにくい単調なメロディーラインとなっている。基本的には、非アクションゲーム、つまり思考型のゲームにBGMなしが多かったのだが、振り返ってみよう。
まず、「麻雀(1983年8月27日発売・任天堂)」。タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレは存在するが、BGMは存在しない。「4人打ち麻雀(1984年11月2日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽のみ。「麻雀悟空(1986年12月25日発売・アスキー)」も、タイトル画面音楽のみ。「本将棋 内藤九段将棋秘伝(1985年8月10日発売・セタ)」もタイトル画面音楽のみ。「森田将棋(1987年4月14日発売・セタ)」も同様。「谷川浩司の将棋指南Ⅱ(1987年11月13日発売・ポニーキャニオン)」は、タイトル画面もスタートのファンファーレも全てなし。「五目ならべ(1983年8月27日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレのみ。「早打ちスーパー囲碁(1989年3月3日発売・ナムコ)」は、タイトル画面音楽のみだが、「囲碁 九路盤対局(1987年4月14日発売・BPS)」は、BGMが存在する。「オセロ(1986年11月13日発売・河田)」もタイトル画面音楽のみとなっており、比較的後期に発売された「バックギャモン(1990年9月7日発売・任天堂)」は、BGMが存在する。「ピンボール(1984年2月2日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽のみで、BGMは存在しない。
パソコン黎明期のアドベンチャーゲームである「ポートピア連続殺人事件(PC-8801版1983年8月発売・ファミコン版1985年11月29日発売・エニックス)」はパトカーの効果音から始まり、BGMはない。ファミコン移植が遅かった「オホーツクに消ゆ(PC-6001版1984年12月21日発売・ファミコン版1987年6月27日発売・アスキー))」ではBGMが存在する。同様に「さんまの名探偵(1987年4月2日発売・ナムコ)」にもBGMが存在するが、その前年発売の「ミシシッピー殺人事件(1986年10月31日発売・ジャレコ)」には、BGMが存在しない。「中山美穂のトキメキハイスクール(1987年12月1日発売・任天堂)」にBGMがあることから考えると、1987年頃から思考型ゲームの一ジャンルであるアドベンチャーゲームでも、BGMがあった方がドラマのように盛り上がると言う認識ができあがり、BGMにROM容量を割ける時代がやってきたと解釈できる。これは、書籍的なテキストアドベンチャーから、ドラマ的なアドベンチャーへの移行が進んでいったとも解釈できる。
「ゴルフ(1984年5月1日発売・任天堂)」はタイトル画面音楽、ゲームスタートのファンファーレ、BGM全てが存在しない。しかし、現実世界でゴルフ場を回るときは、BGMなど流れておらず、当時むしろリアルに感じたものである。そして将棋ゲーム等と同様、大人のゲームの雰囲気を醸し出していた。これが、「ゴルフJAPANコース(1987年2月21日発売・任天堂)」になると、タイトル画面音楽が存在し、ゲームスタートのファンファーレが、B面入れ替え前に鳴る。プレイ中はプレイヤーの緊張感を削がない程度の音量でBGMが流れ、スイング中はBGMが消え、効果音のみになる仕様となる。「ベースボール(1983年12月7日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽、ゲームスタートのファンファーレとも存在するが、同じメロディーである。BGMはない。「テニス(1984年1月14日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽のみで、BGMはない。「スマッシュピンポン(1987年5月30日発売・任天堂)」は、タイトル画面は効果音のみで、ミュージックとは表現しにくい。ゲームスタートのファンファーレはあるが、BGMはない。「10ヤードファイト(1985年8月30日発売・アイレム)」は、タイトル画面音楽はないが、ゲームスタートのファンファーレはあり、BGMは打楽器のみのような単調なものを採用している。
「F1レース(1984年11月2日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽、ゲームスタートのファンファーレはあるが、BGMはない。「ロードファイター(1985年7月11日発売・コナミ)」は、タイトル画面音楽なし、ゲームスタートのファンファーレあり、BGMなし。「ジッピーレース(1985年7月18日発売・アイレム)」は、タイトル画面音楽はないのに、ゲームスタートのファンファーレとBGMはある。「マッハライダー(1985年11月21日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽あり、ゲームスタートのファンファーレの代わりに、説明画面のBGMが流れ、その後プレイBGMも鳴る。「エキサイトバイク(1985年11月21日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽とトラック選択音楽があり、プレイ中のBGMはない。
ファミコンのパズルゲームは、初期の頃は「フラッピー(1985年6月14日発売・デービーソフト)」や「ナッツ&ミルク(1984年7月28日発売・ハドソン)」、「ソロモンの鍵(1986年7月30日・テクモ)」や「バベルの塔(1986年7月18日発売・ナムコ)」のようなアクション性の強いパズルゲームが多かったため、初期から既にBGMが存在していたと言える。しかし、「ロードランナー(1984年7月31日発売・ハドソン)」は、タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレがあり、プレイ中は「スペースインベーダー」「ゼビウス」なみの単調なBGMとなっている。アクション要素のない「バナナ(1986年9月8日発売・ビクターエンターテイメント)」は、マイキャラが止まっているときは単調なBGMで、マイキャラが動き始めると重層的なBGMになる面白い仕様となっている。「涙の倉庫番スペシャル(1986年7月30日発売・アスキー)」もBGMあり。「きね子(1986年11月28日発売・アイレム)」は、ヨットの面なら波の効果音のような音だが、面によっては単調なBGMとなっており微妙な仕様。
ファミコンのRPGは、BGMのある「ハイドライドスペシャル(1986年3月18日発売・東芝EMI)」のあと、音楽クオリティの高い「ドラゴンクエスト(1986年5月27日発売・エニックス)」が登場したために、BGMがあって当たり前と言う認識ができあがっていた。
ファミコンのシミュレーションゲームは、「ディーヴァ(1986年12月5日発売・東芝EMI)」や「ブリーダー(1986年12月15日発売・ソフトプロ)」あたりから始まっており、当時からBGMは存在した。光栄が「信長の野望 全国版(1988年3月18日発売)」を出した頃には、BGMはあって当たり前の状態だった。ただ、シミュレーション的要素の強いシューティングゲーム「スターラスター(1985年12月6日発売・ナムコ)」では、タイトル画面では効果音のようなサウンドのみ、ゲームスタートのファンファーレが鳴った後はノーBGMであり、シューティングゲーム的要素の強いシミュレーションゲーム「コスモジェネシス(1986年12月23日発売・アスキー)」では、BGMどころか、タイトル画面音楽やスタートのファンファーレもない仕様となっている。当時としては、シミュレーション→リアル→宇宙空間にBGMが流れている訳がない→さらに宇宙の孤独感や寂寥感を演出したい、という考え方があったのではなかろうか。「パルサーの光(1987年10月23日発売・ソフトプロ)」は、タイトル画面音楽のみで、BGMはない。
アクションゲームに関しては、初期のアーケードゲームには、BGMのないものや、BGMか効果音かわからない単調なサウンドが流れるものも多く、そのまま移植すればBGMのないゲームとなる。前述の「スペースインベーダー」が効果音的な単調BGMなのだが、「ギャラクシアン(1984年9月7日発売・ナムコ)」も同様に単調なBGMのようなサウンドが常時流れている。しかし、敵の落下音等の効果音の方が大きく聞こえる。「ギャラガ(1985年2月15日発売・ナムコ)」になるとスタートのファンファーレのみでBGMは消失する。「パックマン(1984年11月2日発売・ナムコ)」では、サイレンのようなアラーム音が鳴り続くのみで、効果音なのかBGMなのか判別しがたい。「フロントライン(1985年8月1日発売・タイトー)」は、スタートのファンファーレのみでBGMはない。意外なのは「キン肉マン マッスルタッグマッチ(1985年11月8日発売・バンダイ)」。タイトル画面音楽のみで、BGMはない。「フォーメーションZ(1985年4月4日発売・ジャレコ)」も、タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレのみで、BGMなし。興味深いのは「ディグダグ(1985年6月4日発売・ナムコ)」で、タイトル画面音楽はなし、ゲームスタートのファンファーレはあり、BGMはマイキャラが移動しているときのみ軽快なサウンドが流れる。既に述べた、同じサイドビューで穴掘りゲームである「バナナ」のサウンドスタイルに影響を与えたと思われる。
総括してみると、我々の世代はウォークマンの洗礼を青少年期に既に受けており、電車内であろうが、散歩中であろうがBGMの流れる生活を当たり前に享受している。そして、映画やTVドラマやCMを見れば、感情の変化に合わせて様々なBGMが流される。しかし、この現実世界において、バンジージャンプで落下するとき、ストーカーに追われるとき、F1運転や宇宙遊泳や深海探査のときにBGMは流れるだろうか?当時のBGMのないファミコンソフトに、妙な緊張感と現実感、孤独感と寂寥感、内向していく精神を感じていたのは私だけではあるまい。
最近のTVゲームしか知らない人には理解しがたいことだと思うが、ファミコン初期には、「効果音はあるが、BGMのないゲーム」「タイトル画面には音楽があるが、プレイ中にはBGMの存在しないゲーム」が多く存在した。例えばの話、「スペースインベーダー(1985年4月17日発売・タイトー)」のBGMや、「ゼビウス(1984年11月18日発売・ナムコ)」のBGMも、効果音なのか、BGMなのか断言しにくい単調なメロディーラインとなっている。基本的には、非アクションゲーム、つまり思考型のゲームにBGMなしが多かったのだが、振り返ってみよう。
まず、「麻雀(1983年8月27日発売・任天堂)」。タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレは存在するが、BGMは存在しない。「4人打ち麻雀(1984年11月2日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽のみ。「麻雀悟空(1986年12月25日発売・アスキー)」も、タイトル画面音楽のみ。「本将棋 内藤九段将棋秘伝(1985年8月10日発売・セタ)」もタイトル画面音楽のみ。「森田将棋(1987年4月14日発売・セタ)」も同様。「谷川浩司の将棋指南Ⅱ(1987年11月13日発売・ポニーキャニオン)」は、タイトル画面もスタートのファンファーレも全てなし。「五目ならべ(1983年8月27日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレのみ。「早打ちスーパー囲碁(1989年3月3日発売・ナムコ)」は、タイトル画面音楽のみだが、「囲碁 九路盤対局(1987年4月14日発売・BPS)」は、BGMが存在する。「オセロ(1986年11月13日発売・河田)」もタイトル画面音楽のみとなっており、比較的後期に発売された「バックギャモン(1990年9月7日発売・任天堂)」は、BGMが存在する。「ピンボール(1984年2月2日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽のみで、BGMは存在しない。
パソコン黎明期のアドベンチャーゲームである「ポートピア連続殺人事件(PC-8801版1983年8月発売・ファミコン版1985年11月29日発売・エニックス)」はパトカーの効果音から始まり、BGMはない。ファミコン移植が遅かった「オホーツクに消ゆ(PC-6001版1984年12月21日発売・ファミコン版1987年6月27日発売・アスキー))」ではBGMが存在する。同様に「さんまの名探偵(1987年4月2日発売・ナムコ)」にもBGMが存在するが、その前年発売の「ミシシッピー殺人事件(1986年10月31日発売・ジャレコ)」には、BGMが存在しない。「中山美穂のトキメキハイスクール(1987年12月1日発売・任天堂)」にBGMがあることから考えると、1987年頃から思考型ゲームの一ジャンルであるアドベンチャーゲームでも、BGMがあった方がドラマのように盛り上がると言う認識ができあがり、BGMにROM容量を割ける時代がやってきたと解釈できる。これは、書籍的なテキストアドベンチャーから、ドラマ的なアドベンチャーへの移行が進んでいったとも解釈できる。
「ゴルフ(1984年5月1日発売・任天堂)」はタイトル画面音楽、ゲームスタートのファンファーレ、BGM全てが存在しない。しかし、現実世界でゴルフ場を回るときは、BGMなど流れておらず、当時むしろリアルに感じたものである。そして将棋ゲーム等と同様、大人のゲームの雰囲気を醸し出していた。これが、「ゴルフJAPANコース(1987年2月21日発売・任天堂)」になると、タイトル画面音楽が存在し、ゲームスタートのファンファーレが、B面入れ替え前に鳴る。プレイ中はプレイヤーの緊張感を削がない程度の音量でBGMが流れ、スイング中はBGMが消え、効果音のみになる仕様となる。「ベースボール(1983年12月7日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽、ゲームスタートのファンファーレとも存在するが、同じメロディーである。BGMはない。「テニス(1984年1月14日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽のみで、BGMはない。「スマッシュピンポン(1987年5月30日発売・任天堂)」は、タイトル画面は効果音のみで、ミュージックとは表現しにくい。ゲームスタートのファンファーレはあるが、BGMはない。「10ヤードファイト(1985年8月30日発売・アイレム)」は、タイトル画面音楽はないが、ゲームスタートのファンファーレはあり、BGMは打楽器のみのような単調なものを採用している。
「F1レース(1984年11月2日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽、ゲームスタートのファンファーレはあるが、BGMはない。「ロードファイター(1985年7月11日発売・コナミ)」は、タイトル画面音楽なし、ゲームスタートのファンファーレあり、BGMなし。「ジッピーレース(1985年7月18日発売・アイレム)」は、タイトル画面音楽はないのに、ゲームスタートのファンファーレとBGMはある。「マッハライダー(1985年11月21日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽あり、ゲームスタートのファンファーレの代わりに、説明画面のBGMが流れ、その後プレイBGMも鳴る。「エキサイトバイク(1985年11月21日発売・任天堂)」は、タイトル画面音楽とトラック選択音楽があり、プレイ中のBGMはない。
ファミコンのパズルゲームは、初期の頃は「フラッピー(1985年6月14日発売・デービーソフト)」や「ナッツ&ミルク(1984年7月28日発売・ハドソン)」、「ソロモンの鍵(1986年7月30日・テクモ)」や「バベルの塔(1986年7月18日発売・ナムコ)」のようなアクション性の強いパズルゲームが多かったため、初期から既にBGMが存在していたと言える。しかし、「ロードランナー(1984年7月31日発売・ハドソン)」は、タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレがあり、プレイ中は「スペースインベーダー」「ゼビウス」なみの単調なBGMとなっている。アクション要素のない「バナナ(1986年9月8日発売・ビクターエンターテイメント)」は、マイキャラが止まっているときは単調なBGMで、マイキャラが動き始めると重層的なBGMになる面白い仕様となっている。「涙の倉庫番スペシャル(1986年7月30日発売・アスキー)」もBGMあり。「きね子(1986年11月28日発売・アイレム)」は、ヨットの面なら波の効果音のような音だが、面によっては単調なBGMとなっており微妙な仕様。
ファミコンのRPGは、BGMのある「ハイドライドスペシャル(1986年3月18日発売・東芝EMI)」のあと、音楽クオリティの高い「ドラゴンクエスト(1986年5月27日発売・エニックス)」が登場したために、BGMがあって当たり前と言う認識ができあがっていた。
ファミコンのシミュレーションゲームは、「ディーヴァ(1986年12月5日発売・東芝EMI)」や「ブリーダー(1986年12月15日発売・ソフトプロ)」あたりから始まっており、当時からBGMは存在した。光栄が「信長の野望 全国版(1988年3月18日発売)」を出した頃には、BGMはあって当たり前の状態だった。ただ、シミュレーション的要素の強いシューティングゲーム「スターラスター(1985年12月6日発売・ナムコ)」では、タイトル画面では効果音のようなサウンドのみ、ゲームスタートのファンファーレが鳴った後はノーBGMであり、シューティングゲーム的要素の強いシミュレーションゲーム「コスモジェネシス(1986年12月23日発売・アスキー)」では、BGMどころか、タイトル画面音楽やスタートのファンファーレもない仕様となっている。当時としては、シミュレーション→リアル→宇宙空間にBGMが流れている訳がない→さらに宇宙の孤独感や寂寥感を演出したい、という考え方があったのではなかろうか。「パルサーの光(1987年10月23日発売・ソフトプロ)」は、タイトル画面音楽のみで、BGMはない。
アクションゲームに関しては、初期のアーケードゲームには、BGMのないものや、BGMか効果音かわからない単調なサウンドが流れるものも多く、そのまま移植すればBGMのないゲームとなる。前述の「スペースインベーダー」が効果音的な単調BGMなのだが、「ギャラクシアン(1984年9月7日発売・ナムコ)」も同様に単調なBGMのようなサウンドが常時流れている。しかし、敵の落下音等の効果音の方が大きく聞こえる。「ギャラガ(1985年2月15日発売・ナムコ)」になるとスタートのファンファーレのみでBGMは消失する。「パックマン(1984年11月2日発売・ナムコ)」では、サイレンのようなアラーム音が鳴り続くのみで、効果音なのかBGMなのか判別しがたい。「フロントライン(1985年8月1日発売・タイトー)」は、スタートのファンファーレのみでBGMはない。意外なのは「キン肉マン マッスルタッグマッチ(1985年11月8日発売・バンダイ)」。タイトル画面音楽のみで、BGMはない。「フォーメーションZ(1985年4月4日発売・ジャレコ)」も、タイトル画面音楽とゲームスタートのファンファーレのみで、BGMなし。興味深いのは「ディグダグ(1985年6月4日発売・ナムコ)」で、タイトル画面音楽はなし、ゲームスタートのファンファーレはあり、BGMはマイキャラが移動しているときのみ軽快なサウンドが流れる。既に述べた、同じサイドビューで穴掘りゲームである「バナナ」のサウンドスタイルに影響を与えたと思われる。
総括してみると、我々の世代はウォークマンの洗礼を青少年期に既に受けており、電車内であろうが、散歩中であろうがBGMの流れる生活を当たり前に享受している。そして、映画やTVドラマやCMを見れば、感情の変化に合わせて様々なBGMが流される。しかし、この現実世界において、バンジージャンプで落下するとき、ストーカーに追われるとき、F1運転や宇宙遊泳や深海探査のときにBGMは流れるだろうか?当時のBGMのないファミコンソフトに、妙な緊張感と現実感、孤独感と寂寥感、内向していく精神を感じていたのは私だけではあるまい。
※ちなみにファミコンではないが、PCエンジンの『ロードランナー 失われた迷宮(ロストラビリンス)』は、1990年7月27日発売にもかかわらずプレイ中のBGMがない。この時期にしては、非常に珍しい。