お年寄りは臭いーと思っていた。
学生の頃。
すれ違うと頭皮の油臭がしたのだ。
私は臭いに敏感で、ちょっとした食材のいたみにも人よりも早く気が付くし、何かの臭いがすると、周りの人よりも数分早く気が付くタイプ。
昔、お年寄りが匂うのは、加齢臭なのだと思っていた。
多少はある。
でも、今94に成る父と88に成った母と暮らしていて思うのは、臭いには理由があるーという事だ。
先ず着ているものを洗濯したがらない。
洗うことが面倒なのだ。
干すことも、たたむコトも。
父はひとに洗濯をさせないし、干させないしたたませない。すべて自分でしないとダメなひとで、こだわりがあるらしい。
なのに洗濯が面倒なのか、着た服はずっと取り替えない。
部屋着をーだ。
肌に付くもの以外は汚れないと思っている。
なので肌着以外は言わないと多分夏中着ている。
臭くなるに決まっている。
そして、両親はお風呂(シャワー)に入らない。
年を取るとお風呂に入るにも体力が要る。
疲れるのだ。
特に母は半身が不自由なので。(しかし、本人、デイサービスはかたくなに使わない)
だから2人とも冬場は10日位余裕で入らないし、夏場、猛暑に成るまで、今の時期は7日に一回しか入らない。
臭くなるに決まっている。
案の定臭い。
毎日臭い。
汗と油のにおい。
そして口臭も。(年取ると消化機能も落ちるので胃が弱って口が臭く成る気がする。)
例えば。
それを気にして食べ方を注意したり、なるべく着替えたり、お風呂に入ろうとするお年寄りは多分臭く成らない。
だから年老いた人が臭いのではなくて、年老いて億劫だという理由でお風呂に入らないお年寄りが臭くなるのだ。
それが良くわかった。
だからきっと、臭い人は年齢関係なく臭い。
臭くない人は年齢関係なく臭くない。
ーと思う。